東急電鉄は,2022(令和4)年度,事業基盤の強靭化と安全・安心のさらなる追求など社会的価値の持続的提供のため,約444億円の設備投資を行なうと発表した.
2021(令和3)年度に引き続き,ホームと車両床面の段差・隙間の縮小を中心に設備投資を行なう.また,デジタル技術を活用したより便利な情報提供や子育て世代や高齢者に配慮した乗車券などのソフト施策についても検討を進める.
駅設備については,和式の旅客トイレが残る駅などを中心としたリニューアル工事や,旅客トイレが未整備の駅についてはベビーカーと一緒に入れる多機能トイレの整備を含む新設工事を実施する.これにより2022(令和4)年度末にはすべての旅客トイレで和式トイレの洋式化と温水洗浄便座の導入が完了する.
脱炭素・循環型社会の実現に貢献するための取組として,駅構内照明のLED化を進めており,2022(令和4)年度は7駅に導入する.
東急新横浜線(新横浜—日吉間)については,2023(令和5)年3月の開業に向けた工事を進めており,整備主体である鉄道・運輸機構,相互直通運転先の相模鉄道とも連携して開業準備を進める.2022(令和4)年4月から進めている目黒線車両の8両編成化については,東急新横浜線開業までに全26編成への対応が完了し,新線開業による交通利便性・速達性向上に加え,輸送力増強により快適性が向上する.
大井町線の有料着席サービス「Qシート」については,利用状況などを踏まえ,他路線への展開など,サービス拡充を検討する.
田園都市線では2020系を1編成導入することで,8500系の置換えを完了する.脱炭素・循環形社会の貢献と地域に開かれた「サステナブルな地下駅」を目指し,地下区間5駅(池尻大橋・三軒茶屋・駒沢大学・桜新町・用賀)のリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」を進める.第1弾として,2021(令和3)年度に着工し2024(令和6)年年竣工予定の駒沢大学駅リニューアル工事を本格化させる(鉄道ニュース2021年8月1日掲載記事参照).
東横線では,都立大学駅の外壁改修工事と,ホーム屋根延伸工事の完成を目指す.また,一部路線で実施しているワンマン運転について,東横線への導入を計画しており,ワンマン運転化の早期実現に向けた車両改修工事を実施する.
このほか,新技術を活用した安全性向上に向けた取組として,機器の状態データを基に検査や更新の周期を設定し,効率性と安全性の向上が期待されるCBM(Condition Based Maintenance)システムの導入に向けた検証を進める.一部施設の状態データを集約し,データの分析結果から,故障リスクの判定や更新の必要性を判断する仕組みの導入を目指す.
詳しくは,東急電鉄ニュースリリースに掲載されている.
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