東武鉄道は,2022(令和4)年度に鉄道事業において総額322億円の設備投資を行なうと発表した.
車両については,沿線最大の観光地である日光・鬼怒川エリアの観光需要喚起を目的に,2023(令和5)年に新形特急N100系を24両(6両4本)導入する.2022(令和4)年度は,車両製作を実施する.
日光・鬼怒川エリアにおける観光コンテンツのひとつである蒸気機関車については,3両目となるC11 123号機の復元作業を完了し,営業運転を開始する.
大師線における添乗員付き自動運転(GoA3)の導入に向け,引き続き前方障害物検知システムの検証を行なうとともに,車上カメラ・検知センサおよび新造車両の調査・設計業務を実施する.走行中の車両の乗車率や車内温度,走行パターンなどのデータを把握し分析する「Remote」については,500系4編成,50000系1編成に導入する.
列車に線路や電車線の状態を検測する装置やカメラを使用したモニタリング装置を搭載することで,施設の状態を管理できる「施設状態監視システム」や,AI活用による,線路や電気施設の最適な更新時期を解析する「施設データ管理システム」については,それぞれ導入に向けた調査設計業務を実施する.
駅設備の改良では,さいたま市の支援のもと,橋上駅舎化が進められている東武野田線(東武アーバンパークライン)七里駅について,新駅舎の設置工事を実施する.伊勢崎線(東武スカイツリーライン) 東向島駅・姫宮駅では,駅舎のリニューアルを実施する.
ホームドアについては,伊勢崎線(東武スカイツリーライン)竹ノ塚,獨協大学前,越谷(2・3番ホーム)で整備が完了する予定で,伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の小菅,五反野,梅島,西新井,谷塚,新田,蒲生の各駅では工事に着手する.また,伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の草加と東上線の東武練馬,下赤塚,成増の各駅で調査・設計に着手する.
ホームと車両乗降口の段差・隙間の縮小や,ホームでの転落防止のため,先端部へのCP(Color Psychology)ラインの設置,内方線付き点状ブロックの設置・改修を引き続き対象の駅で実施する.
伊勢崎線(東武スカイツリーライン)竹ノ塚付近の高架化については,地平設備などの撤去を進めるとともに,引上線の高架橋工事を進める.とうきょうスカイツリー付近の高架化については,引き続き上り線高架橋の工事を行なう.春日部駅付近の高架化については,春日部駅東側において仮上り線ホーム,東口仮駅舎の工事を進める.
野田線(東武アーバンパークライン)清水公園—梅郷間で進められている連続立体交差化工事については,引き続き野田市駅部の高架橋工事を進め,2023(令和5)年度中の新駅舎の供用開始と2面4線化を目指す.
東上線大山駅付近の連続立体交差化工事については,工事着手に向け設計業務などを進める.このほか,高架橋・橋りょうの耐震補強など自然災害への備えの強化や,電気・線路・車両関係設備の更新改良を進める.
また,運行情報や列車走行位置などを提供する「東武線アプリ」と「TOBU POINTアプリ」を統合し,各種サービスをひとつのアプリで提供できるようにする.
画像はすべて東武鉄道のニュースリリースから