JR東日本は,とくに早期整備が求められるホームドアについて,東京圏在来線主要路線の線区単位の330駅758番線へ整備拡大することに加え,これまでの計画より1年前倒し,2031(令和13)年度末ごろまでの整備を目指すと発表した.
ホームドアについては,2021(令和3)年度までに92駅183番線を整備してきたが,2022(令和4)年度は,早期整備に努めた京浜東北線 日暮里駅をはじめ,中央・総武緩行線 飯田橋駅,南武線 武蔵溝ノ口駅,登戸駅,府中本町駅,谷保駅,立川駅の7駅14番線で使用開始を予定している.なお,世界的な半導体不足の影響により,使用開始予定は変更となる場合がある.
これまで設備整備に要した累計の設置費・改良費は,約2500億円(うちホームドアは約1200億円)で,今後の設置費は約4200億円を超える見込み(うち,整備が本格化するホームドアの設置費は約4100億円).これらの整備を進めるため,国が創設した鉄道駅バリアフリー料金制度を活用することとし,2022(令和4)年4月5日(火)付けで国土交通省関東運輸局に,鉄道駅バリアフリー料金制度を活用した料金設定と整備などの計画の届出を行なった.
届出の内容は,東京の電車特定区間のみを利用する場合を対象に,普通旅客運賃ではIC運賃・きっぷで各10円,定期旅客運賃(通勤)では1ヵ月280円,3ヵ月790円,6ヵ月1420円の料金をそれぞれ旅客運賃に加算するもの.通学定期旅客運賃には加算せず,小児は料金加算後の大人の半額とする(新幹線利用時を含む).
ホームドア以外のバリアフリー設備整備については,検討中の駅を含め,2022(令和4)年から2025(令和7)年度までではエレベータ23駅,スロープ4駅,バリアフリートイレ10駅,2026(令和8)年から2035(令和17)年度まででは,エレベータ20駅,バリアフリートイレ18駅において,それぞれ整備を予定している.このうち27駅では,鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し,整備費を充てる.
一部の画像はJR東日本ニュースリリースから