JR北海道,2022年度事業計画を発表

JR北海道 H100形量産車

写真:JR北海道H100形量産車  加藤 勝撮影  苗穂運転所にて  2019-12-13(取材協力:JR北海道)

JR北海道は,2022(令和4)年度事業計画を発表した.

 輸送施設の安全性の向上については,車両故障対策として,H100形の新製によるキハ40形の置換えやキハ261系の新製投入,789系やキハ201系などの重要機器取替え工事を進める.線路設備については,引き続き,橋枕木の合成枕木化や函館本線,室蘭本線のロングレール化などによる軌道強化を進めるとともに,トンネル展開図システムを導入し,トンネル管理の精度を向上させる.電気設備については,函館本線・室蘭本線の運行管理システム更新や,踏切の保安度向上を進める.列車の運休により日中の作業時間を確保する「線路集中メンテナンス日」を設定し,集中的かつ効率的な修繕を実施する.

JR北海道キハ261系

写真:JR北海道キハ261系 加藤 勝撮影

 鉄道施設の整備に関する計画では,冬期間の安全輸送の確保として,老朽化した排雪モータカーロータリーの取替や,ポイントヒーター・除雪機械などの増強にも取り組む.駅ではバリアフリー化や,遠隔地でもオペレーターと会話しながらきっぷを購入できる「話せる券売機」の設置拡大,「北海道ボールパークFビレッジ」開業へ向けた北広島駅の改修などを進め,旅客サービスの向上を図る.
 鉄道オペレーションの変革として,国からのシステムチェンジ支援を有効活用しながら,時代にあわせた省力化・省人化を進める.ICT・AIなど他社ですでに開発・導入実績のあるものも活用する.具体的には,キャッシュレス化を推進するため,交通系ICカード「Kitaca」エリアの拡大や,「北海道MaaS」の実現を視野にデータプラットフォームの開発を検討する.
 地方電化区間での列車運行の省力化・省人化を進めるため,2両編成のワンマン電車を導入する.分岐器検査装置の導入を進め,省力化・効率化を図る.このほか,タブレット端末を活用した乗務員支援システムやGNSS(全地球航法衛星システム)を活用した踏切制御システムなどの導入を検討する.

JR北海道 キハ261系5000番台「ラベンダー編成」

写真:JR北海道 キハ261系5000番台「ラベンダー編成」  編集部撮影  苗穂運転所にて  2021-3-29(取材協力:JR北海道)

 鉄道利用の早期回復を図るため,札幌圏輸送では,快速“エアポート”の指定席「uシート」へのチケットレス商品の設定,ロイズタウン駅開業にあわせた地域やロイズコンフェクトと連携した取組を実施する.都市間輸送では,北海道・国の事業を活用して商品を設定し,鉄道利用促進に取り組む.あわせて,鉄道開業150年を軸としたJR6社と連携したプロモーションを実施するとともに,JR東日本や航空会社などと連携した鉄道利用促進を行なう.キハ261系5000番台「はまなす編成」・「ラベンダー編成」を活用した販売強化・周遊企画の実施や,北海道各地の沿線自治体と連携した観光開発を進める.

キハ40 1790「山明」号

写真:キハ40 1790「山明号」  加藤 勝撮影  苗穂工場にて  2019-9-6(取材協力:JR北海道)

 観光列車では,新たな観光需要の創出を図るため,“花たびそうや”号や「THE ROYAL EXPRESS」,“HOKKAIDO LOVE!ひとめぐり号”を運転するほか,“SL冬の湿原号”用客車のリニューアルを実施する.将来に向けた札幌圏輸送の基盤強化として,北広島駅改修工事やアクセス輸送の検討など「北海道ボールパークFビレッジ」開業への対応や,将来の新駅の概略設計・設置に向けた関係者との協議を進める.なお,インバウンド施策については当面厳しい状況が続くとしているが,将来の回復に備えた準備を進める.

JR北海道 H5系

写真:JR北海道H5系  編集部撮影  函館総合車両基地にて  2014-11-20(取材協力:JR北海道)

 北海道新幹線については,新幹線札幌駅工事が本格化することから,難易度の高い工事を計画どおりに進める.具体的には,11番線ホーム新設工事,南北乗換こ線橋工事,東西連絡通路工事,新幹線高架橋増設工事,耐震補強工事を進めるとともに,パセオ閉店の実施,駅舎デザインの決定,東改札口の調整などをあわせて実施する.札幌駅以外については,函館線倶知安駅,長万部駅における支障移転工事などを進める.
 新函館北斗—札幌間において,JR北海道負担で実施する最高時速320km化の工事を,建設主体である鉄道・運輸機構と連携して実施する.札幌開業後の共用走行区間の最高時速260kmの営業運転実施を目指し,実施可能な方策について関係者と検討・協議を進める.新幹線乗務員の自社養成に向けた準備や社員の教育・養成,札幌開業時の在来線の輸送体系や業務運営体制などの検討も引き続き行なう.あわせて北海道が進める並行在来線の在り方に関する地元協議に積極的に協力する.
 新青森—新函館北斗間では,青函共用走行区間の輸送の安全確保と効率的なメンテナンスを実施するため,JR貨物などの関係機関と協議により,必要な保守間合いを引き続き確保する.このほか,収益を確保するため,北海道・北東北縄文遺跡群のコンテンツを活用した自治体やJR東日本と連携した宣伝や,「新幹線eチケットサービス」を活用する.また,特定時期における時間帯区分方式による最高時速210kmの営業運転や,新幹線の速達性を活かした荷物輸送(新函館北斗—新青森間)を引き続き実施する.
 経営自立に向けた取組の一環として,「JR北海道単独では維持困難な線区」の解決を進める.「鉄道よりもほかの手段が適しており,利便性・効率性の向上も期待できる線区」では,関係者と協議し留萌本線(深川—留萌間),根室本線(富良野—新得間)の早期の鉄道事業廃止とバス転換を目指す.「利用が少なく鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が必要な線区」については,監督命令にもとづき,第2期アクションプランの推進と検証を行なう.また,第2期集中改革期間終了時の「総括的な検証」の準備を進める.

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