▲「DIANA」の概要

　「DIANA」は，「Data Integrated monitoring and Analysis system」の略で，本システムのうち，HC85系のエンジンに関するデータのリアルタイム通信と，315系のAI（人工知能）による冷房の自動学習・制御最適化機能は国内で初めての導入となる．
　システムは，車両機器のセンサから大量の車両データを取得し，LTE通信により車両基地などにリアルタイムに送信する．分析手法については，既存車の車両データやHC85系の試験走行結果をもとに開発されたもので，この手法を用いて自動分析することで，車両不具合の予兆を車両基地などに通知できる．また，本線上の車両状態（故障情報，車上モニタ情報，車両位置など）を車両基地，指令などでリアルタイムに取得・確認が可能となる．315系では，AIによる冷房の自動学習・制御最適化機能により，自動的に設定温度の補正を行なう．

▲HC85系の取得データ例

　「DIANA」の導入により車両不具合の予兆が通知され，不具合に至る前に調査・修繕対応することで，列車の運休や遅延を防止する．また走行中の車両状態を，車両基地や指令などでリアルタイムに把握し，異常発生時などの迅速な対処が可能となる．315系では，乗務員が手動補正した時点の各種データ（温度・湿度・乗車率など）をAIが自動学習することで，冷房をきめ細やかに制御し，快適な車内環境を維持する．
　運用開始日は，2022（令和4）年4月1日（金）で，315系のAIによる冷房の自動学習・制御最適化機能については，同車両の営業運転開始にあわせて3月5日（土）から運用を開始している．

一部画像はJR東海ニュースリリースから