JR東日本盛岡支社は,釜石線で運行中の“SL銀河”について,2023(令和5)年春をもって運行を終了すると発表した.
これは,動力付きの客車(旅客車)であるキハ141系の老朽化にともなうもので,運転終了までについては引き続き,“SL銀河”を活用したさまざまなイベントを計画する.また運行終了後については,新たな観光列車の運転に向けて検討を進めるほか,地域とともに観光振興に取り組むとしている.
“SL銀河”は,宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を代表的なテーマとして列車全体をプロデュースしており,宮沢賢治の世界観や空気感,生きた時代を共有することで,東北の「文化・自然・風景」を感じられる車内空間になっている.2014(平成26)年4月の運行開始以来,おもに春から初冬の土日を中心に,釜石線花巻—釜石間で運転を行ない,これまでに約57000人の乗車実績がある.
けん引機であるC58 239号機は,1972(昭和47)年まで山田線・釜石線・大船渡線を中心に活躍し,その後,岩手県営運動公園で展示保存されていたものを復元した.
旅客車のキハ141系は,JR北海道で札沼線電化にともない余剰となったキハ141系のうち4両をJR東日本が譲受し,700番代として内外装を改造したもの.急勾配のある釜石線で蒸気機関車の運転ができるよう,エンジン付き車両であることを活かし,機関車との協調運転を実施している.
2021(令和3)年は12月5日(日)までの土曜・日曜に運行する(土曜:花巻→釜石間,日曜:釜石→花巻間での運転).2022(令和4)年は春から初冬までの運転とし,2023(令和5)年は春のみの運転を予定している.詳細は決まり次第,発表される.
※写真はいずれもイメージです.