北総鉄道は国土交通省に対し,運賃の変更届を提出したと発表した.
これは,懸案であった累積損失解消を機に,ポストコロナにおける輸送動向や沿線の将来を展望するとともに,利用者の声や沿線自治体のまちづくり施策との整合性などを総合的に判断し,地域のインフラとして利便性の向上や事業基盤の維持・向上を図るために実施するもの.
初乗り運賃については,現行の210円から190円に引き下げる.中距離帯を重点に,最大100円(ICカード利用の場合105円)の値下げとし,北総線内の移動促進や沿線全体の活性化に繋がるような運賃体系とする.
通勤定期運賃も普通運賃に準じて値下げを行なうほか,家計への負担の大きい通学定期運賃については,子育て世代への配慮や若い世代の入居促進に繋がるよう,大幅な値下げを行なう.一例として,京成高砂—印西牧の原間の通学定期運賃は,1ヵ月定期で現行の14990円から4990円に,6ヵ月定期では80950円から26950円にそれぞれ値下げする.これにより値下げ率は,普通運賃が11.6%,通勤定期が13.8%,通学定期が64.7%となる.
また,京成電鉄においても,成田空港線(成田スカイアクセス:京成高砂—印旛日本医大経由—成田空港間)の運賃について,国土交通大臣へ上限運賃の範囲内で設定されている運賃の変更届を提出したと発表した.
これは,移動の促進により,成田空港線沿線全体の活性化を目的としており,現在,北総鉄道と同額の運賃を設定している京成高砂—印旛日本医大間については,北総鉄道が値下げする運賃と同額となる.なお,成田空港線以外の京成本線・東成田線・押上線・金町線・千葉線・千原線の運賃は変更しない.
通学定期運賃については成田空港線全線で引き下げ,京成高砂—成田湯川間の1ヵ月定期では,現行の22120円から5240円に値下げする.
普通旅客運賃と通勤定期運賃については,京成高砂・東松戸・新鎌ヶ谷・千葉ニュータウン中央・印旛日本医大の各駅相互発着の区間を利用する場合の運賃を引き下げる.これにより値下げ率は,普通運賃が0.964%,通勤定期が10.144%,通学定期が64.852%となる.
運賃改定日については,いずれも2022(令和4)年10月1日(土)を予定している.詳しくは北総鉄道ニュースリリースおよび京成電鉄ニュースリリースに掲載されている.
※写真はいずれもイメージです.