JR東日本は,「East i」による「架線設備モニタリング」を本格導入したと発表した.
これまでは,夜間に電力係員が至近距離から架線設備の状態を確認する検査を1年に1回実施していたが,2021(令和3)年4月からは,「East i」搭載のセンサによるトロリ線の摩耗,高さ,偏位測定に加え,新たに搭載したカメラにより架線設備を撮影し,電線や架線金具の状態を確認するシステムを,首都圏線区以外の在来線38線区,約5500kmで導入した.これにより,導入線区における検査業務の約1割を削減するなど検査の大幅な省力化を図るとともに,多頻度な設備確認を実現した(最大4回/年).
なお,首都圏線区(約2000km)については輸送密度が高く,トロリ線を通過する列車本数が地方線区と比較して多いため,トロリ線測定の頻度や精度の検証を進め,カメラ撮影も含めたモニタリングの早期導入を目指す.
あわせて「モニタリングセンター」のオペレータによる画像スクリーニング業務の効率化を目指し,数量が多く検査に時間を要するハンガ,コネクタなどの架線金具の判定に,ディープラーニングを用いたAIによる自動判定を導入した.2021(令和3)年10月にはシステムを実装し,11月から試行を開始している.
今後は架線設備モニタリングのさらなる導入エリア拡大を目指し,AIの判定精度向上に継続して取り組む.
画像はいずれもJR東日本ニュースリリースから