JR西日本の新幹線鉄道事業本部は,山陽新幹線相生—岡山間で新設工事を進めてきた帆坂(ほさか)保守基地について,2021(令和3)年10月1日(金)から使用を開始すると発表した.
山陽新幹線には現在,保守作業に使用する保守用車の留置,工事材料の保管などを行なうための保守基地が13ヵ所あるが,効率的な保守作業を目指し,新たな保守基地の建設が進められていた.
帆坂保守基地は,姫路保守基地から西に38km,岡山保守基地から東に44kmの地点に位置し,用地面積約23900m²,留置線の総延長は約1600m.おもな設備として,資機材の積込・取卸しを行なう移動式門形クレーンや,バラスト積込設備,保守車両向けの検修庫や給油設備が設置される.
新たな保守基地の設置により,移動に要する時間が短縮されるため,現行と比較して最大約3倍(約60分→約180分)の作業時間が確保でき,大形保守用車による効率的な保守作業が可能となる.安全・安定輸送の確保の面では,自然災害等発生時の点検・復旧のための拠点となるため,早期運転再開が可能となるほか,逸脱防止ガードを計画的に敷設できるとしている.また,大形保守用車の活用により,保守作業従事者の労働負荷を軽減する.
写真・画像:JR西日本のニュースリリースから