京王電鉄は,2021(令和3)年度に鉄道事業において,総額240億円の設備投資を行なうと発表した.
車両については,座席指定列車「京王ライナー」のサービス拡充を図るため,5000系1本(10両)を導入する.この車両では,日本初となるリクライニング機能が付いた,ロング/クロスシート転換座席を搭載する(鉄道ニュース4月14日掲載記事参照).
京王線8000系2編成(16両)については,リニューアル工事を実施する.このリニューアルでは,車いす・ベビーカースペースを全車両に拡大するほか,車内防犯カメラの設置,英語に対応した車内自動放送装置を導入する.また,VVVFインバータ制御装置の更新にあわせ,より省エネ性能の高い新形のVVVFインバータ制御装置を導入し,運転用電力を削減する.照明の省エネルギー化として,高幡不動や京王多摩センターなどのホーム・コンコース照明,京王線9000系車両10編成(20両)の前照灯のLED化工事を実施する.
京王線笹塚—仙川間の連続立体交差事業については,引き続き用地取得や土留杭の設置,高架橋基礎杭の構築などを進めるほか,新たに下高井戸駅付近と桜上水駅付近で工事に着手し,全8工区のうち6工区で工事を進める.
ホームドアについては,下北沢駅1番線・2番線への整備を進める.下北沢と京王稲田堤では,ホームと車両の隙間対策として,転落防止ゴムを設置する.また,ホーム縁端部の視認性向上を目的として,高幡不動などに注意喚起ラインを施工する.
駅のリニューアルについては,新宿駅新線口改札内のエスカレータの更新工事や,府中競馬正門前・若葉台・多摩境の各駅で,旅客トイレのリニューアル工事を実施する.
大規模地震に備え,高架橋や盛土区間,トンネル部(新宿—笹塚間)などの耐震補強工事を引き続き実施する.自然災害対策では,京王線の駅への避雷針の設置や,保安装置セクションの耐雷性能向上を目的に,落雷による異常な過大電流からの被害を防護する工事を継続して行なう.
踏切における安全対策では,東府中3号踏切道において,障害物検知装置を従来の線検知式から面検知式に更新する工事を行なう.
このほか,めじろ台駅への駅舎補助電源装置の設置や改札口における遠隔案内システムの導入,維持管理業務のデジタル化を進める.
特記以外の画像は京王電鉄のニュースリリースから