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JR貨物,2021年度事業計画を発表

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2021年4月3日掲載
JR貨物 EF210形300番台

写真:EF210形300番台  松本洋一撮影  2020-2-20 (取材協力:JR貨物)

JR貨物では,2021(令和3)年度事業計画を発表した.

JR貨物 DD200形

写真:JR貨物DD200形  編集部撮影  新鶴見機関区にて  2017-7-5(取材協力:JR貨物)

 このなかで,鉄道施設の整備に関する計画では,「安全の確立」,「安定輸送の確保」に資する鉄道施設の整備・更新を継続して実施する.車両部門では,故障による輸送障害を未然に防止するため,老朽車両・鉄道施設の修繕・取替えを計画的に進め,引き続きEF210形300番台・DD200形の新製を行なう.また,九州地区のEF510形導入に向け,九州用に仕様変更したEF510形の走行試験を行なう.このほか,全コンテナ貨車への「手ブレーキ検知装置」の展開や,運転士と担当社員にアラームで通知することで,手ブレーキ緩解失念対策を実施する.
 輸送設備の維持更新としては,まくらぎの鉄まくらぎ化や,土木・電気設備の更新,電車線設備・連動装置の更新を実施する.経営体質の改善では,列車編成通知書の作成システムと運転支援システム(PRANETS)を活用した運転士への情報提供により,駅のスマート化を図る.あわせて,輸送系基幹システムの改良・更新やコンテナ持込・持出時間予約機能を有したトラックドライバー用アプリの試運用開始など,各システム導入による省力化を推進する.
 保安・防災関係では,橋りょうなどの耐震工事や,レールゲートと積替ステーションなどで駅の高度化を図る.また,新仙台貨物ターミナル駅において移転工事と新技術を導入する.
 災害発生時のBCP(事業継続計画)強化では,輸送機材の冗長性確保の一環として,運用線区拡大のために改造した試作機関車(1両)について試運転を実施する.災害時の船舶代行・区間代行・中継相対日の延伸などに対応するためのシステム改修や,自治体との協調による代行トラック用夜間駐車場の事前選定を引き続き実施する.

JR貨物 EF510形0番台

写真:JR貨物EF510形1号機  編集部撮影  新鶴見機関区にて   2001-12-19 (取材協力:JR貨物)

 また,技術革新の加速化と社会情勢の急速な変化にともない,10年後を見据えた社会・経済の変化に対応し業務・サービスを抜本的に改革していくため,新たな技術の研究開発や活用を積極的に行なう.
 労働集約形の作業が多く存在する貨物駅の作業の見直しとして,「駅構内トラックの隊列走行」,「入換機関車の遠隔操縦」,「フォークリフトの遠隔操縦・自動化」,「システムによる駅構内コンテナ留置位置の最適化」,「積付画像診断」,「コンテナ立体自動倉庫」などについて,将来のスマート貨物ターミナルの実現や移転後の仙台貨物ターミナル駅への導入を視野に入れて検討・開発を進める.
 省力化に向けた車両装置の要素開発として,「次世代緊締装置」,「電気・空気自動連結機構」などの検討・開発や,AI・IoT,ビッグデータの活用研究として,「車両状態監視システム」,「事故関連事象の傾向自動分析システム」などの開発も進める.
 海外事業については,タイにおいて要望のある,危険品の鉄道コンテナ輸送の実現に向け,支援を行なうとともに,駐在員事務所を設置し現地関係事業者と事業化の検討を進める.また,タイを中心としたマレーシア・カンボジア・ラオスなどとの国際鉄道輸送に関する事業化の可能性についても調査する.
 インドでは,日系運送企業と共同で鉄道による完成車輸送事業の実施に向けた検討とJICAの鉄道安全プロジェクトを引き続き進める.2020(令和2)年度に部分開業したDFC(貨物専用鉄道)運営公社への研修支援や,鉄道によるLNGコンテナ輸送の実現へ向けたインド国鉄への支援について検討する.このほか,カナダでの鉄道事業関係会社への出資検討・技術支援業務などに取り組む.

※写真はいずれもイメージです.