小田急電鉄は，2021（令和3）年4月19日（月）にオープン予定の「ロマンスカーミュージアム」を報道陣に公開した．
　「ロマンスカーミュージアム」は，小田急線海老名駅隣接地に設置され， 「“子ども” も“大人” も楽しめる鉄道ミュージアム」をコンセプトにした，小田急電鉄で初めての屋内常設展示施設．敷地面積は約4000平方メートル，建物は鉄骨造地上2階建で，延床面積は約4400平方メートルとなっている．

　1階には，「ヒストリーシアター」・「ロマンスカーギャラリー」・「ロマンスカーアカデミアI」が設置されている．
　「ヒストリーシアター」は，小田急線開業当時の車両「モハ1」とともに，小田急電鉄のはじまりと歴史，数々の時代をかけぬけた特急ロマンスカーの誕生と進化の軌跡をたどるシアター．小田急電鉄の3つの行動指針である「真摯・進取・融和」を，軽快なタップダンスとジャズの音楽で演出・表現したショートムービー「ロマンスカーは走る」を投影する．
　「ロマンスカーギャラリー」は，検車庫の中を探検しているかのような雰囲気の車両展示室とし，に，3000形「SE」，3100形「NSE」，7000形「LSE」，10000形「HiSE」，20000形「RSE」が展示されている．車両の足元までを含め，至近距離でロマンスカーを鑑賞し，歴代のロマンスカーを見比べることができる．10000形「HiSE」と20000形「RSE」は車両内に入ることもできる．
　「ロマンスカーアカデミアI」はロマンスカーの歴史や小田急電鉄のあゆみを伝える展示エリア．小田急電鉄の歴史をまとめた企業年表や，小田急電鉄の一大事業であった複々線化事業を学べる模型を展示し，講演やワークショップ，学校団体向けの学習スペースとしても活用する．

　2階には，「ジオラマパーク」・「キッズロマンスカーパーク」・「ロマンスカーアカデミアII」・ミュージアムショップ「TRAINS（トレインズ）」・.カフェ「ROMANCECAR MUSEUM CLUBHOUSE」（ロマンスカーミュージアムクラブハウス）が設置されている．
　「ジオラマパーク」は，新宿から箱根までの沿線の多様さを表す約190平方メートルの巨大ジオラマ．通常時には，背景のパノラマスクリーンに流れる「時間」をテーマにした映像と照明やジオラマの建物の光が連動し，刻々と移り変わる沿線の街並みの中をロマンスカー（10車種）と通勤電車（5車種）が走るようすを見ることができる．合間には，映像・音響・照明で演出するジオラマショー「時間と距離のロマンス」が実施される．
　「キッズロマンスカーパーク」は，男の子も女の子も夢中になって楽しめる，キッズスケールの7つの車両を立体的に組み合わせた子どものための空間で，中央には，紙でつくられたキッズジオラマが広がり，工作してつくる自分だけのペーパートレインを走らせることができる．
　「ロマンスカーアカデミアII」は，鉄道会社のまちづくりや運転士の仕事について理解を深めることができるエリアで，壁に投影された映像に手をかざすと動きに合わせて線路が引かれ、 まちができていく体験型デジタルコンテンツの「電車とつくるまち」，7000形「LSE」の実際の運転台で使用していた機器を活用した電車運転シミュレーターが設置される．

　屋上は，海老名駅を通過・停車するロマンスカーが見渡せる「ステーションビューテラス」となっており，ロマンスカーの時刻表が掲示されており，さまざまな種類のロマンスカーを待って楽しむことができる．

　なお，開業から当面の間は，新型コロナウイルス感染症対策のため，入館については事前予約制となる．

写真はいずれも大沼一英撮影（取材協力：小田急電鉄）