東武鉄道は,千葉県が事業主体となり進めている「東武野田線(野田市)連続立体交差事業」について,2021(令和3)年3月28日(日)の初列車から,清水公園—梅郷間の高架線の使用を開始すると発表した.
事業は,東武野田線(東武アーバンパークライン)清水公園—梅郷間の約2.9kmの区間を高架化するもので,工事の進ちょくにともない,高架上の線路に切り替える.これにより,同区間内にある11ヵ所の踏切が廃止される.
同区間内にある愛宕・野田市の2駅では高架駅化も進められており,愛宕では高架切替日の3月28日(日)から新駅舎の使用が開始される.駅舎は鉄骨造・1階建てで,「『現代から未来へ』〜生まれ変わる愛宕〜」をデザインコンセプトに,江戸川の流れに高瀬舟が帆を張って未来へと進んでいくようすをファサードデザインで表現した.中央のホーム外壁は,船の帆をイメージした素材を用いることで,光を取り入れた明るい空間を演出し,1階外壁は,船の形をあしらい,上部の帆と一体に表現することでシンボル性を持った駅の顔を表している.外壁面は,川の水面が揺れるように,平面的に緩やかに折り曲げた連続パネルを使用している.
野田市の新駅舎は鉄骨造・1階建てで,2023(令和5)年度の使用開始を予定しており,「『温故知新』〜歴史に寄り添い発展する街〜」をデザインコンセプトに,昭和初期に建築された旧野田町駅舎の雰囲気を継承する.野田市には,興風会館や千秋社など近代化産業遺産が数多く存在し,これらを象徴するようなファサードを形成する.高架下部分は,旧野田市駅の魅力であるレンガ要素を施すことで,ノスタルジック(遠い懐かしさ)や,街の歴史遺産をイメージした駅にすることで,利用者が地域に興味を持ってもらい,街に親しみを感じる玄関口とする. 今後は高架切替後に,順次線路・地平設備などを撤去し,野田市駅部分については高架橋の2期施工を進め,新駅舎の供用開始と2面4線化を完成させる.また関連事業として,野田市が施行主体となる愛宕駅西口駅前広場と野田市駅西土地区画整理事業については,それぞれ2023(令和5)年度と2027(令和9)年度の完成を目指し,整備を進める.
写真・画像はいずれも東武鉄道のニュースリリースから