JR北海道は,2021(令和3)年春にダイヤの見直しをするべく,検討すると発表した.
これは,新型コロナウイルス感染症の影響により利用客は依然として大きく減少し,回復の見通しが立たない状況が続いているためとし,「Go To キャンペーン」などによる鉄道利用促進は期待できるものの,回復には相当時間がかかることが予想されることや,ライフスタイルの変化など,出張・ビジネス利用や夜間帯の利用減少が今後も続くことが予想される点などから実施するもの.
札幌—函館間の特急“北斗”は,定期列車24本を運転しているが,夜間帯で利用の少ない上下1本ずつの定期運転を取りやめて臨時列車とし,利用状況にあわせた運転を検討する.これにより,経費節減や,夜間の保守作業間合いの拡大も可能となり,作業の効率化を図る.また,特急“北斗”・“おおぞら”の編成は5両を基本とし,利用状況にあわせて増結を行なう.
札幌—旭川間の特急“カムイ”・“ライラック”は,現行で定期48本を運転しているが,上下2本ずつを臨時列車とし,土休日と繁忙期など利用の多い日の運転を再検討する.
旭川—網走間の特急“大雪”は定期列車4本をすべて臨時化し,利用状況にあわせた運転とする.なお,札幌直通の特急“オホーツク”の4本については,現行体系を維持する.
旭川—稚内間の特急“サロベツ” は,定期列車4本を運転しているが,このうち2本を臨時化し,利用状況にあわせた運転とする.なお,札幌直通の特急“宗谷”の2本については,現行体系を維持する.
さらに札幌圏の列車については,全体的な利用減少にあわせて,10本程度の列車の見直しと,輸送力の適正化を図るため,土休日に10本程度の列車運休を検討する.あわせて,函館本線(滝川—旭川間),留萌本線,石北本線,宗谷本線(旭川—名寄間),根室本線(滝川—新得間・新得—帯広間)では,利用の少ない普通列車の見直しを検討する.
このほか,利用の少ない駅のうち36駅を対象に,廃止または管理体制の移行を関係する沿線自治体と協議しており,18駅程度は廃止の方向で協議中としている.
これにより,年間約5.5億円(減便・減車:約5.0億円,駅の見直し:約0.5億円)の経費節減を図る.
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