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東芝インフラシステムズ,新幹線「N700S」量産車向けにバッテリ装置などを納入

東芝インフラシステムズ,新幹線「N700S」量産車向けにバッテリ装置などを納入

▲「N700S」量産車

東芝インフラシステムズは,JR東海の新幹線「N700S」量産車向けに,バッテリ装置などを納入したと発表した.

 「N700S」は,13年ぶりのフルモデルチェンジとなる新幹線で,安全性,安定性,快適性,環境性能など,そのすべてを最高レベルで利用客に提供することを目指して開発された.東芝インフラシステムズは,独自技術を使用した自走用バッテリ装置,電源装置に加え,SiC素子を使用した主変換装置,車両伝送システム,保安装置などを,40編成に納品する予定となっている.

東芝インフラシステムズ,新幹線「N700S」量産車向けにバッテリ装置などを納入

▲自走用バッテリ装置

 バッテリ自走システムは,東芝インフラシステムズのグループ会社が製造したリチウムイオン二次電池「SCiB™」を用いて,JR東海と共同開発したもので,2018(平成30)年に納入した「N700S」確認試験車と比較して,2倍の電池容量となり,自走可能距離の機能向上が実現している.これにより,長時間停電時にも,乗客の避難が容易な場所までの自力走行が可能となり,新幹線の異常時の対応能力が向上している.
 また,車両の全席モバイル用コンセントに対応したほか,バッテリシステムに充電できる機能を持たせた電源装置も納入した.
 「SCiB™」は,高い安全性や1万回以上の充放電が可能な長寿命,マイナス30℃の環境下にも耐え得る低温度動作などの優れた特性があり,とくに安全性においては,外圧が加えられて内部短絡が生じても異常発熱や発火を起こしにくい構造となっている.このリチウムイオン電池を使用した蓄電池システムで,鉄道車両に要求される欧州規格「EN50126」(RAMS:信頼性,有効性,保守性,安全性の仕様と実証)とRAMSの安全性(Safety)に関する「EN50129」の認証をSIL4(Safety Integrity Level 4/最高水準)として世界で初めて取得した.
 東芝インフラシステムズは,今後も「SCiB™」やSiC素子などのデバイスからシステムまでの一貫した自社開発を進め,高効率化と小形化を両立する駆動システムを国内外へ積極的に展開していくとしている.

写真はいずれも東芝インフラシステムズ提供

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