JR西日本金沢支社は,北陸エリアの駅運営体制を見直しを図ると発表した.
これは,本格的な人口減少社会の到来で労働力不足や,利用の減少が予想される中で,将来にわたり鉄道サービスを持続的に提供するために実施するもの.具体的には,ITやIC技術による新しいサービスの導入や,利用者自身できっぷや情報を得ることができるセルフ化の推進,また業務の機械化やシステム化を進め,JR西日本社員などが「人により行なうことが効果的な業務」に集中できる環境を整えることにより,少人数でもより高い安全・CSを持続的に提供する.
2030(令和10)年度の駅体制イメージでは,「みどりの券売機プラス」に対応をシフトする駅として,北陸新幹線と並行在来線が重複する敦賀・南越(仮称)・福井・芦原温泉・加賀温泉・小松・金沢・新高岡・富山の9駅(窓口併設駅)と,小浜・越前大野・羽咋・七尾・和倉温泉・黒部宇奈月温泉・糸魚川の7駅(機械対応駅)を挙げており,後者の7駅は対応社員を配置する予定.また「ICOCA」への対応へシフトする駅として,北陸本線の20駅(駅への対応機器設置)と七尾線の16駅(車載装置対応)を挙げており,北陸本線の20駅は北陸新幹線敦賀延伸にあわせて,並行在来線に移管となる予定.
なお「みどりの券売機プラス」は,「みどりの券売機」にオペレータを呼び出す機能を備えた新たな券売機で,「コールセンター呼び出し」を選択した場合,「みどりの窓口」と同様に,目的地などをオペレータに伝えるだけで利用客が機器を操作することなくきっぷを受け取ることができる.また,「学生割引きっぷ」や「ジパング割引きっぷ」など,これまで窓口でしか購入できなかったきっぷの購入もできる.
さらに,駅設備が老朽化している地平駅(観光拠点駅などを除く)のうち,利用実態に対して駅設備が過大な駅を対象に,駅本屋などの建替えを進めることで,メンテナンスの省力化を引き続き実施する.あわせて駅トイレについても,無人駅を対象に引き続き廃止を進め,列車内トイレの利用を推奨する.
このほか,2020(令和2)年秋以降,七尾線に順次導入する521系100番台の車内にIC改札機を設置し,老朽化した車両の置換え完了後に使用開始する.これにより,石川県下全域と七尾線全線がICOCAエリアとなる.
写真上:七尾線に導入する521系100番台
写真下:「みどりの券売機」のイメージ
※画像はいずれもJR西日本のニュースリリースから