東武鉄道では,下今市—東武日光間(7.1km)で運転する蒸機けん引列車について,愛称を“SL大樹「ふたら」”に決定したと発表した.
東武日光への蒸機乗入れについては,日光エリアからこれまでにも要望があったが,乗入れの準備が整ったことから,営業運転を開始する.車両組成はSL「大樹」と同様,蒸機+車掌車+客車(3両)+ディーゼル機関車とし,当面の間は臨時列車とする.初回の運転は,2020(令和2)年10月3日(土)に東武トップツアーズ(東武旅倶楽部)にて団体ツアーを実施し,その後,2020(令和2)年度内は月1回程度運転する.
“SL大樹「ふたら」”は,「日光」の地名の由来ともなった男体山のかつての呼び名「二荒山(ふたらさん)」に由来しており,鉄道産業文化遺産である蒸気機関車とともに,奥日光の雄大な自然や世界遺産「日光の社寺」などの威風堂々としたその姿を感じてもらいたいという想いが込められている.
またヘッドマークは,男体山とそのシンボルである「大剣(たいけん)」を大きくデザインし,左右には風を切るような躍動感をイメージした雲を描いた.「ふたら」の文字については,SL「大樹」に引き続き,日光観光大使であり書道家の涼風花氏が揮毫した.
現在,SL「大樹」は土曜・日曜・祝日を中心に運転しているが,2020(令和2)年12月以降は,C11 207・C11 325の2機体制となり,1日4往復運転する.さらに2021(令和3)年夏以降,下今市—鬼怒川温泉間において毎日の運転を開始し,2021(令和3)年冬には日本鉄道保存協会から譲受したC11 1の復元が完了する予定.
なお,東武鬼怒川線の下今市—鬼怒川温泉間で運転する列車愛称を“SL「大樹」”としていたが,今後,東武日光への運転や蒸機が複数機体制となることから,蒸機のブランド化を図るため,東武鉄道のすべての蒸機けん引列車の愛称をSL「大樹」とする.
なお,すでに鬼怒川線で運転しているSL「大樹」については,列車愛称と列車名称が同一となるが,下今市—鬼怒川温泉間を運転するSL列車の列車愛称については,これまでどおり“SL「大樹」”とする.
写真・画像はいずれも東武鉄道のニュースリリースから