AGCと交通電業社では,京阪電気鉄道向けに共同開発したガラスサイネージ®の「infoverre®(インフォベール) Windowシリーズ Bar タイプ」が,2021(令和3)年1月から営業運転を開始する予定の京阪3000系「プレミアムカー」に採用されたと発表した.
AGCは,視認性とデザイン性に優れ,省スペース化が特徴の「infoverre®」を2013(平成25)年に開発し,ガラスに映像を表示する表示器として鉄道車両,駅のホームドアや発車標などさまざまな場所に導入している.
今回,京阪3000系「プレミアムカー」に導入される「infoverre® Windowシリーズ Bar タイプ」は,AGCが保有する複層ガラス製造技術とinfoverre®商品開発・製造技術を組み合わせ,複層ガラスの中空層内に液晶ディスプレイを配置した製品で,液晶ディスプレイの制御には,交通電業社の技術が用いられている.
独自の長距離画像伝送技術を用いて制御機能の一部を分離し,外部に配置することで,制御基板を小形化.総厚26mmの複層ガラス内のわずか16mmの空間に,小形化した制御基板と行先表示器を内包し,省スペースと優れたデザイン性を実現している.さらに液晶ディスプレイと複層ガラスを一体化することで,屋外に向けたクリアな視認性と十分な耐久性があり,密閉性の高い特殊な伝送ケーブルを採用することで,複層ガラスの省エネ・結露防止性能も確保している.
なお,車両用側窓と一体化した車外向け行先表示器としては,世界で初めて(2020年4月30日現在)の実車両採用となり,車内の案内表示器にもinfoverre®が採用される.
画像はすべてAGC提供