京阪電気鉄道では,2021(令和3)年1月から3000系車両全6編成の6号車に,新造した「プレミアムカー」を導入すると発表した.これにより,昼間時には原則としてすべての特急列車で「プレミアムカー」サービスの提供が可能となる.
今回新造される「プレミアムカー」は,「金色の扉の先がプレミアム」といった共通のブランドイメージを継承し,8000系「プレミアムカー」の機能とデザインコンセプトが採用される.
出入口扉は3000系一般車両と共通の両開き構造で,円弧状の窓も8000系と同じ意匠となっている.シートピッチは1040mmで,8000系よりも20mm広げられている.座席はさらなる座り心地の向上を目指し,クッションが調節可能となる.
両端部の壁とエントランス部のガラス仕切り壁については構造を見直し,これまで壁面テーブルまたはインアームテーブルが設置されていた座席にも大形テーブルを設置する(一部座席除く).さらに8000系「プレミアムカー」同様,微粒子イオンで車内の空気を浄化する「ナノイーX」発生装置を搭載する.
行先表示器は,複層ガラスの層間に液晶ディスプレイを内蔵した「infoverre Windowシリーズ Barタイプ」を鉄道車両の窓用ガラス(車外向け)として世界で初めて採用する.これは液晶ディスプレイを複層ガラスの内側に収めたもので,省スペース化を実現し,より快適な車内空間と,液晶ディスプレイならではの高精細な案内表示が可能となる.なお,車内の案内表示器にも「infoverre」が採用される.
また,運転本数拡大にともない,乗換え時などにおいてホーム上でプレミアムカー券またはライナー券の購入を可能とするために,キャッシュレスの座席指定券発売機を設置する.クレジットカード,PiTaPaなどの交通系ICカードのほか,QR決済など多種多様な購入方法を可能とすることで,ビジネスや観光などさまざまな目的の利用客の利便性向上を図る.