大阪モノレールグループは,「中期経営計画 2020-2024」を策定したと発表した.
今回発表された計画は,門真市—瓜生堂(仮称)間が延伸開業する2029(令和11)年を見据えながら,大阪・関西万博により経済活動などが活発化する2025(令和7)年に向け,以前の「中期経営計画」の見直しを行なったもの.鉄道会社として常にめざすべき課題へ対応するため,3つの基本戦略として「安全の徹底」,「サービスの向上」,「コンプライアンス意識の向上」を取りまとめた.あわせて,延伸開業と万博開催の絶好の機会を確実にとらえるため,3つの成長戦略として「沿線需要の拡大」,「広域来訪者の誘引」,「鉄道ネットワークの拡充」を計画の柱としている.
基本戦略のうち「安全の徹底」では,新形車両3000系を2022(令和4)年度までに8編成製造し,既存車両を置き換える.また,可動式ホーム柵については,2020(令和2)年度は大日・少路・南摂津・宇野辺の4駅,2021(令和3)年は柴原阪大前・阪大病院前・摂津の3駅,2022(令和4)年度は沢良宜・豊川・公園東口の3駅に設置し,2022(令和4)年度までに全駅で設置を完了する予定.さらに昇降機や,ATC/TD装置,駅務機器,変電所電力設備などの更新や地震,浸水,強風,落雷などの自然災害に対し,安全性の向上や早期復旧対策に取り組む.
「サービスの向上」では,利用者にやさしい駅設備やサービスの充実を図る.また,拡大する国内・インバウンド需要に対応するため,必要な基本設備を充実し,観光客の満足度向上を目指す.
成長戦略のうち「鉄道ネットワークの強化」として,延伸区間で新たに大阪市高速電気軌道 長堀鶴見緑地線・JR片町線(学研都市線)・近鉄けいはんな線・近鉄奈良線と接続することで,利便性の向上を図る.これにより,公共交通利用による環境負荷軽減や事故などで他路線が不通となった場合に,代替ルートとしての役割も担うとしている.
また延伸事業は,沿線地域の活性化など,街づくりの発展に寄与するものとし,駅を中心としたにぎわいづくりへの貢献や,兼業事業の拡大も検討する.
特記以外の画像は大阪モノレールの「中期経営計画 2020-2024」資料から