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JR東海,超電導リニア改良形試験車を報道陣に公開

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2020年3月26日掲載
JR東海,超電導リニア改良形試験車を報道陣に公開

JR東海は,山梨リニア実験線で試験走行を行なう超電導リニアの改良形試験車を,2020(令和2)年3月25日(水)に日立製作所鉄道ビジネスユニット笠戸事業所で報道陣に公開した.

JR東海,超電導リニア改良形試験車を報道陣に公開

 今回公開された改良形試験車は,営業車両の仕様策定に向け,L0系をさらにブラッシュアップしたもので,既存のL0系先頭車に搭載されていたガスタービン発電装置をなくし,誘導集電方式を採用する.誘導集電方式は,地上に設置された地上ループと,車両に設置された集電コイルとの間の電磁誘導作用を利用するもので,車両機器への電力が非接触により供給可能となり,燃料を使用することもなく,車両からの排気ガスも出ないことから,環境面にも優れた電源装置となる.

JR東海,超電導リニア改良形試験車を報道陣に公開

 先頭部は凹凸を際立たせ,丸みを帯びた先端部とすることで,既存のL0系よりも左右方向への空気の流れの分流と微気圧波性能を維持した.これにより先頭部における空気抵抗は約13%下がり,消費電力や車外騒音の低減を図る.また,前照灯と前方視認用カメラの位置を上部に変更し,前方視認性を向上させた.
 カラーリングは,これまでの試験車と同様白地に青帯を採用しているが,進化し続ける躍動感と新しい先頭形状での滑らかな空気の流れを,青の流線で表現している.

JR東海,超電導リニア改良形試験車を報道陣に公開

 この改良形試験車は,2020(令和2)年3月下旬に日立製作所笠戸事業所から搬出後,4月上旬に山梨リニア実験線へ搬入される.搬入後,先頭車1両・中間車1両の改良形試験車は,既存のL0系5両と組み合わせた7両編成のB編成とし,機能調整試験を実施したあと,5月末ごろから本線走行試験が開始される予定.なお,既存のL0系5両で組成されるA編成も継続して走行試験を実施し,営業線車両の仕様策定に向けた,快適性向上のための走行試験が行なわれる.
 山梨リニア実験線は,2013(平成25)年8月に実験線が延伸(18.4km→42.8km)され,同時にL0系での試験を開始した.2015(平成27)年4月には有人走行で時速603kmを記録し,2017(平成29)年2月には営業線に必要となる技術開発が完了.現在はすでに確立した実用技術について,さらなる保守の効率化や快適性の向上を目指して走行試験を継続しており,累積走行距離は310万km(地球約77周)となっている.

写真はいずれも松本洋一撮影(取材協力:JR東海)