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JR東海,小牧研究施設に「リニア走行試験装置」を新設

JR東海,小牧研究施設に「リニア走行試験装置」を新設

JR東海では,小牧研究施設において,2020(令和2)年3月から「リニア走行試験装置」を新設したと発表した.

 これは,さらなる超電導リニア技術のブラッシュアップや,建設・運営・保守の効率化を目指し,実際に車両を走行させることなく模擬的に試験をすることができるもので,実際の走行試験に使用されていた車両を活用して,実物と同等の大きさ・重さの模擬編成を試験に用いる.地上側の電磁加振装置に電流を流すことで磁力により模擬編成を浮上させ,乗り心地向上確認試験や,超電導磁石の長期耐久性試験を実施する.また,加振台で電磁加振装置などを横方向に揺らすことで,地震時や軌道(ガイドウェイ)のズレにより生じる車体の揺れを想定した試験を行なうことができる.工事費は約66億円としている.

JR東海,小牧研究施設に「リニア走行試験装置」を新設

 「乗り心地向上確認試験」では,装置で走行時の車両の揺れを再現し,空気ばねやダンパーの設定などを変化させ,乗り心地を確認する.「超電導磁石の長期耐久性試験」では,台車に取り付けた超電導磁石に走行時の超電導磁石特有の振動を長時間与え,耐久性を検証する.このほか,車両・超電導磁石・地上コイルなどについて,山梨リニア実験線では設定が困難な異常状態や,軌道(ガイドウェイ)のズレを模擬的に設けることで,各設備の故障の予兆を検知する状態監視システムの構築に向けたデータを取得する.さらに地震発生時におけるリニアの安全性は,これまでのシミュレーションや,車両・地上設備の強度試験で検証済みであるが,加振台により,電磁加振装置などを横方向に揺らすことで,地震時の車両・地上設備の揺れを再現し,リニアの安全性をより高いレベルで確認するとしている.

画像はすべて,から

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