JR西日本は,2020(令和2)年3月14日(土)にダイヤ改正を実施すると発表した.
山陽新幹線では,東海道新幹線に直通する全列車を「N700A」タイプに統一し,所要時間を短縮する.これにより毎日運転する“のぞみ”はすべての列車で博多—東京間を5時間以内で運転し,平均所要時間が4時間台となる.また,博多発着の臨時“のぞみ”を新設し,1時間あたりの“のぞみ”の運転可能本数を拡大する.
新大阪—鹿児島中央間を運転する“みずほ”については,1往復増発し8往復となる.このうち一部列車は新山口または福山にも停車するようになる.上りの“さくら”は,552号が福山に,554号が徳山に停車する.これによりすべての“さくら”が福山に停車する.このほか,博多を早朝に発車する列車の運転時刻や,朝通勤時間帯の土休日運休列車を見直す.博多南線では,8時台と18時台に博多行きの列車を2本増発する.さらに朝通勤時間帯において,休日の運休列車を1本から3本に変更する.
北陸新幹線は,“かがやき”・“はくたか”・“つるぎ”で一部時刻を変更する.
北陸エリアでは,関西方面から七尾線に直通する特急“サンダーバード”(15号・17号)や特急“能登かがり火”(4号・8号)の時刻を和倉温泉の宿泊に適した時間帯にあわせて変更する.特急“しらさぎ”52号は,東海道新幹線の時刻にあわせ,米原駅の到着時刻を10分程度繰り下げる.普通列車は,小浜線・越美北線(九頭竜線)・高山本線において,一部列車の時刻を見直しを行なう.
近畿・京阪神エリアでは,特急“はるか”に増結用の271系を18両(3両編成×6本)追加投入し,全列車9両で運転する.これにより9両編成で運転する“はるか”は,平日では1日6本から60本に,土休日では1日3本から60本となる.
大阪環状線では,大阪—奈良方面間を結ぶ「大和路快速」が全列車8両編成での運転となり,大阪環状線における全列車の乗車位置が統一される.桜島線(JRゆめ咲線)では,平日朝に西九条—桜島間の列車を2往復増発する.これにより,同時間帯ではおおむね6分間隔で運転となる.奈良線では,土休日に6両で運転する「みやこ路快速」が12本から35本に増え,全列車6両編成での運転となる.山陰本線(嵯峨野線)では,土休日に一部普通列車が4両編成から8両編成に変更され,輸送力が増強される.
このほか,福知山線(JR宝塚線)では,昼間時間帯に運転されている「丹波路快速」と「快速」を,宝塚—新三田間の各駅に停車する「区間快速」に変更する.これにともない,普通列車は宝塚までの運転となる.関西本線(大和路線)・和歌山線では,平日・土休日昼間から夕方にかけてJR難波—高田間を直通する快速列車などの運転を取りやめる.
和歌山地区では,すべての特急“くろしお”が日根野に停車する.また,“くろしお”3号と26号については,「パンダくろしお」で運転する.紀勢本線(きのくに線)では,御坊—紀伊田辺間で日中に運転している113系ワンマン列車を,227系車両に置き換える(早朝・深夜の113系使用列車も含む).これにより,ワンマン列車を含むすべての快速・普通列車が乗客自身でドアの開け閉めができる車両に統一される.また,和歌山線全線ときのくに線(和歌山—紀伊田辺間全駅)でICOCAの利用が開始され,和歌山—五条間では列車内に設置の車載形IC改札機の利用となる(一部の駅には自動改札機を設置する).
北近畿エリアでは,“こうのとり”17号の運転区間を新大阪—豊岡間に,“こうのとり”19号の運転区間を新大阪—福知山間に,“きのさき”13号の運転区間を京都—福知山間に,“きのさき”15号の運転区間を京都—豊岡間に変更する.“こうのとり”17号と“きのさき”13号,“こうのとり”19号と“きのさき”15号は,それぞれ福知山駅で同一ホームで接続する.
岡山地区では,九州・博多・広島方面からの新幹線と,米子・出雲市方面の特急“やくも”の岡山での接続を見直し,“のぞみ”と“さくら”・“みずほ”の両方から接続する体系とする.これにより,山陰エリアへのアクセス向上と,東京・新大阪方面の“のぞみ”と“さくら”・“みずほ”との乗換時間の適正化を図る.宇野線では,昼間時間帯に,岡山—備前西市間で普通列車を1往復,岡山—茶屋町間で快速列車を2往復,上下あわせて6本を新設する.これにより,大元・備前西市・妹尾・茶屋町エリアと岡山間の利便性が向上する.
広島地区では,山陽本線の快速“シティライナー”について,土休日の広島—岩国間と西条—広島間での運転を再開する.快速“シティライナー”の運転再開にあわせて,新たに横川が停車駅に加わる.これにより可部線から快速“シティライナー”に乗換えが可能となる.
山陰地区では,山陽新幹線の“みずほ”605号が新山口に停車することから,“スーパーおき”1号から同駅で接続可能となり,熊本・鹿児島中央方面への所要時間が最大約20分短縮される.また,ほかの“スーパーおき”についても新幹線との接続改善を行なう.
境線では,平日の観光に便利な時間帯に運転している「鬼太郎列車」について,8時台から13時台の下り米子発の6本と,9時台から14時台の上り境港発の6本の合計12本を1両から2両に増やして運転する.このほか,山陰本線・因美線・境線(平日のみ)について,利用が少ない一部列車の運転を取りやめる.
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