九州運輸局は,佐川急便と松浦鉄道が実施する鉄道貨客混載による総合効率化計画を認定し,2019(令和元)年11月27日(水)から輸送を開始すると発表した.旅客鉄道を活用した貨客混載による総合効率化計画の認定は,九州初の事例となる.
松浦鉄道では,沿線の人口減少にともない鉄道輸送人員が減少傾向にあり,事業の財務基盤強化のためには新たな事業展開が求められていた.一方佐川急便では,集配効率の向上を図るために列車を活用した貨客混載事業を協働で実施したい意向があり,生産性の高い輸送網の構築に取り組む必要があった.そこで,相互協力のための協議会を立ち上げ,今般の物流効率化の取組みの実現へとつながった.
実施エリアは,松浦鉄道潜竜ヶ滝駅周辺で,現行の同駅周辺への配達については,午前にトラック1台・軽車両2台,午後にトラック1台・軽車両1台を使用.基地となる松浦市の平戸営業所への返却は空便となっている.11月27日(水)以降は,午後のトラック1台,軽車両1台の往復運行を鉄道輸送に転換し,松浦駅—潜竜ヶ滝駅間(約31km)で旅客列車のスペースを活用した貨客混載輸送を実施.潜竜ヶ滝駅からの各配達先へ配達を行なう.
今回の取組みにより,佐川急便の貨物車両からのCO2排出量は年間約212kg削減され,ドライバーの運転時間は,1名あたり年間約285時間削減される.また,松浦鉄道の財務基盤強化といった効果も期待されている.
写真はすべて九州運輸局ニュースリリースから