JR東海では,在来線の保守点検作業における列車見張員支援システムの改良を行なうと発表した.
JR東海の在来線保守点検作業では,昼夜を通して多くの列車が往来する中で行なわれているため,作業現場への列車の接近を確認する列車見張員(以下:見張員)を配置し,列車の接近を作業員に伝達して,作業員を線路外に待避させることで安全を確保している.列車見張員は紙に記載の列車ダイヤを用いており,ダイヤに変更があればその場で見張員が確認し,手書きで修正しているのが現状となっている.
改良後は,携帯端末を使用して最新の列車ダイヤを自動的に表示し,列車位置表示が駅構内または駅間のみであったものをさらに細分化することで作業位置と列車の位置関係を確実に把握できるようにする.また,待避指示伝達用の子機をヘルメットに装着することで,列車退避時に子機を鳴動させ,声掛けとあわせて全作業員に確実に伝達を行なう.
導入時期は,2021(令和3)年6月末(紙ダイヤ→端末への変更は,2020(令和4)年度末)を予定し,費用は17.4億円としている.
また,名古屋駅では「列車進路地上表示装置」を新設する.これは,進入してくる列車の進路を軌道内に設置した表示灯の点滅により明示するもので,軌道内に設置されたLED表示灯は常時点灯しているが,列車接近により列車の進路上のLED表示灯が点滅.列車の接近を見張員が把握し,列車が通過した後はLED表示灯が点灯状態に復帰する.
導入時期は,点灯試験を2019(令和元)年12月ごろに開始し,2020(令和2)年4月末を予定.費用は5.7億円としている.
写真:特記以外はJR東海ニュースリリースから