西武鉄道とヤフー(以下:Yahoo!JAPAN)は,ビッグデータとAIを活用して,西武鉄道が運行する各路線の混雑予測をWEBサイトで発信する実証実験を2019(令和元)年9月20日(金)まで実施すると発表した.
実験では,Yahoo!JAPANが提供する乗換検索サービス「Yahoo!乗換案内」などで蓄積される将来の予定を含む路線検索履歴のビッグデータを,個人が特定できないよう統計化したうえで,AI(機械学習)による解析を行ない,駅ごとの混雑パターンを推定.さらに,西武鉄道の駅別・時間帯別の降車人数データを掛け合わせることで,より高精度な混雑予測を実現するもの.この仕組みは,Yahoo!JAPAN研究所と東京工業大学の下坂正倫准教授の研究チームが連携して開発したAIをもとにしている.実証実験は,Yahoo!JAPANが10月から提供を開始する企業間ビッグデータ連携による事業者向けデータソリューションサービス「DATA FOREST(データフォレスト)」のサービス開始に向けた実証実験の一例として実施するもので,乗換検索サービス提供会社と鉄道会社が連携して行なう混雑予測の情報提供は国内初の取組みとのこと.
実験を行なう駅は,通勤時間帯において多くの利用客があり通勤利用駅である池袋・西武新宿・高田馬場・国分寺と,メットライフドームの最寄り駅である西武球場前の計5駅となる.通勤利用駅では,平日の朝(始発〜10時)の混雑レベルと,通常より混雑が予測される時間帯を表示することで,ピーク時間帯以外の通勤を促し,東京都が提唱する交通混雑緩和のための取組み「スムーズビズ」の一環としても実施する.また西武球場前駅では西武ライオンズと連携し,野球開催日におけるメットライフドームへの来場時間帯の駅混雑レベルと,試合前イベントの情報を表示することで,早めの来場を促す.
混雑予測は,西武鉄道WEBサイト内に新たに開設する「混雑予報サイト」で確認できる.また,実験の効果検証のため,混雑予測に関するアンケートを実施し,アンケートの協力者には,抽選で埼玉西武ライオンズの選手直筆サインボールなどがプレゼントされる.
写真:特記以外は西武鉄道ニュースリリースから