クラシックレールウェイホテルは,2019(令和元)年8月2日(金)にJR肥薩線矢岳駅近くにある旧駅長宿舎をリノベーションした宿泊施設「星岳・月岳(ほしたけ・つきたけ) やたけ」をオープンすると発表した.
「星岳・月岳 やたけ」は,明治末期に建てられ,国の登録有形文化財に登録されている矢岳駅の旧国鉄駅長官舎を,1日1組限定の宿泊施設として再生.客室のベッドボードやテーブル,キッチンカウンター,風呂桶などの家具は,一勝地曲げの職人により,球磨村の山から伐りだされたベニタブの木の端材を使用して制作した.また,客室でゆったりとくつろげるよう,アメニティにはガーゼのパジャマや,今治タオル,オーガニックソープなど肌触りや使いごこちのよいものが用意されている.
クラシックレールウェイホテルでは,日本の各地方の課題として,過疎地域の鉄道維持,遊休設備の観光施設化,サービス人材の確保,魅力的な地域産品の情報発信の必要性が挙げられるとし,この「星岳・月岳 やたけ」では,肥薩線の鉄道遺産3駅(人吉駅・大畑駅・矢岳駅)にまたがる地域分散形の開発と,人吉球磨の歴史や文化,郷土食材,地域人材を活用した高付加価値サービスの提供を目指すとのこと.
今後は,2018(平成30)年9月に大畑駅前に開業したフレンチレストランと連携したオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)として,広域周遊観光実現を目指すほか,九州地域の鉄道沿線に同コンセプトのホテル・レストランを展開する予定.さらに,2025(令和7)年までに,九州7県すべてで拠点開発をし,九州をまるごと楽しめる鉄道一周ツアーの企画も目指している.
写真はいずれもクラシックレールウェイホテル提供