京阪電気鉄道では,2019(令和元)年度の設備投資計画を発表した.
京阪線では,2020(令和2)年度中に3000系「プレミアムカー」を導入するため,「プレミアムカー」6両を新造する.これにより,昼間時には原則としてすべての特急列車に「プレミアムカー」が組み込まれる.
導入から30年が経過した6000系車両については,2013(平成25)年度から進めているリニューアル工事を引き続き実施する.これまでに,車いすスペースや液晶式車内案内表示器の設置などバリアフリー化への対応のほか,内装材の取り替えや座席の更新など,14編成112両中,6編成48両のリニューアルが完了しており,2019(令和元)年度はさらに2編成16両をリニューアルする.
鋼索線(現・男山ケーブル)については,18年ぶりにリニューアル工事を実施し,安全性向上を目的に制御装置などを更新する.これにあわせて,ケーブルカー車両を,石清水八幡宮らしさを表現する車両デザインに一新し,2019(令和元)年6月19日(水)から運行を再開する.また,10月1日(火)からは,ケーブルカーの通称を「石清水八幡宮参道ケーブル」に,駅名を「ケーブル八幡宮口」駅と「ケーブル八幡宮山上」駅へとそれぞれ変更し,駅舎ファサードの美装化を行なう.
京阪線において,さらなる安全かつ安定的な輸送をめざして「多情報連続式自動列車停止装置(ATS)」の導入を進め,運転保安度の向上を図る.このATSは,これまでに出町柳—枚方市間,宇治線,交野線で使用を開始しているが,2019(令和元)年中に枚方市—守口市間での使用を開始し,2020年度中に京阪線全線で導入される計画.
また,京阪線全60駅に設置している旅客案内ディスプレイについて,4言語(日本語・英語・中国語(簡体字)・韓国語)で表示する運行状況の範囲を,これまでの京阪線に加え,大津線まで拡大する.また,災害時においてNHK緊急放送の情報提供を実施できるように改修し,機能の向上を図る.さらに北浜駅では,観光案内所の設置や案内サインの改良を行なう.
このほか,駅トイレのリニューアルや,駅・高架橋の耐震補強工事,沿線変電所の更新を実施する.
設備投資額はあわせて約92億円となる.
写真はいずれも京阪電気鉄道提供