東京急行電鉄とソフトバンクは,2019(令和元)年5月31日(金)から6月30日(日)までの間,車両内のセキュリティ向上を目的として,4Gデータ通信機能を備えたLED蛍光灯一体形の防犯カメラ「IoTube(アイ・オー・チューブ)」を試験導入すると発表した.
「IoTube」は,特許技術を活用して株式会社MOYAIが開発した製品で,Wi-Fiや4Gのデータ通信によりカメラ映像を送信することができ,遠隔で記録映像を確認できる.今回の試験導入では,大井町線6020系6121編成の2号車と9000系9001編成の2号車に試作機4台をそれぞれ搭載.「IoTube」本体の強度や画像の撮影角度,電波状況を確認し,東急の各車両への本格導入に向けた仕様の検討を行なう.なお,鉄道車両に4Gデータ通信機能を備えたLED蛍光灯一体形の防犯カメラを搭載する試みは,鉄道業界初とのこと(2019(令和元)年5月30日時点).
これまで,車内に設置されたカメラの記録映像を確認するには,車内のカメラから記録媒体を抜き取り,専用パソコンで行なう必要があったが,「IoTube」は事務所などの遠隔地から記録映像を確認することが可能になるため,車両内トラブルの発生時における対応の迅速化などを目指す.プライバシーの保護については,防犯カメラを設置している車両であることを,試験車両の車内にステッカーを掲出して乗客に周知する.また,防犯カメラの映像は,「IoTube」本体に搭載するmicro SDに一時的に保存され,約3日間で上書き・更新される.
両社では,今回の試験導入を通して車両内の犯罪防止および利便性の高いサービスを追求し,セキュリティや顧客満足度の向上を図るほか,将来的には,「IoTube」に多様なセンサを搭載しそのデータを活用することで,AIやIoTを融合した次世代形ネットワークカメラとして,不審物の自動検出など,新たなサービスや新規事業の創出を目指すとしている.
特記以外の写真は東急電鉄提供