JR東日本では,「品川開発プロジェクト(第I期)」に係る品川駅北周辺地区の都市計画について,2019(平成31)年4月に内閣総理大臣による認定(都市計画決定)を受けたと発表した.
「品川開発プロジェクト」は,JR東日本グループ経営ビジョン「変革2027」の一環として展開しており,2020(令和2年)年ごろの工事着手を目指し,関係各所との調整や諸手続きを進める.また,まちづくりのコンセプト「グローバルゲートウェイ品川」にふさわしい景観を実現するため,世界的に著名な建築デザイン事務所である「Pickard Chilton」と「隈研吾建築都市設計事務所」を起用した.
「品川開発プロジェクト(第I期)」は,第1街区から第4街区まであり,全体の敷地面積は約72000㎡,延べ面積は約851000㎡(容積対象床面積は690200㎡)となる.街全体のデザインについては,各街区の複数建物を「日本列島の島々」に見立て,「アーキペラーゴ(列島)」を創出し,かつて海岸線であった場所の記憶を想起させる滑らかな「フロー(流れ)」のような歩行者ネットワークを整備する.低層部は各建物の豊かな緑を連ねることで,都市に緑の丘を構築し,高層部は頂部に統一した動きをつくり,分節で強調した建物コーナーを新駅前広場や結節空間に向けることで建物同士のつながりを持たせ,各建物が個性を持ちながらも「群としての一体感」を表現する.さらに,高輪ゲートウェイ駅前は,「エキマチ一体まちづくり」の象徴として,和を感じられるデザインの新駅と,緑豊かで滑らかな曲線を持つ4街区建物によってつくり出される「360度の広場空間」を形成するなどの点をデザイン指針とした.
街の中心となる4街区建物の外装デザインについては,上記「Pickard Chilton」とともにデザイン検討を進め,4街区外装に『象徴的なアイデンティティの創出』『ヒューマンスケールな空間表現』『海岸線を想起させる全体デザインに調和する「フロー」を生み出す良質な空間形成』の3点をデザイン指針とする.
このほか,2024(令和6)年のまちびらきに向けて新たな文化・ビジネスが生まれ続けるための仕組みづくりを行なう.その一環として,世界中からこの場所を舞台にあたらしいものを生み出したい人たち,またそれを支えたいと思う人たちを集め,共創していくための取組みを「TokyoYard PROJECT」と名付け,まちびらきに先行して活動を開始する.なお,具体的な活動内容については,「TokyoYard PROJECT」特設WEBサイトを通して順次紹介される.
写真はいずれもJR東日本提供