京王電鉄では,2019年度に鉄道事業において,総額297億円の設備投資を行なうと発表した.
車両については,座席指定列車“京王ライナー”の運転拡大を目的に,5000系1編成(10両)を新たに増備する.また,京王線8000系の3編成(26両),井の頭線1000系3編成(15両)のリニューアル工事を実施する.このリニューアルでは,車いす・ベビーカースペースを全車両に拡大するほか,VVVFインバータ制御装置の更新にあわせ,より省エネ性能の高い新形のVVVFインバータ制御装置を導入し,運転用電力を削減する.井の頭線1000系については,車内ドア上に液晶ディスプレイを2画面設置し,運行案内およびニュースや天気予報などのコンテンツ,交通広告を放映する.このほか,車両や駅構内など鉄道施設における,照明のLED化を推進する.
京王線笹塚—仙川間の連続立体交差事業については,工事に必要な用地取得を進めるほか,2018(平成30)年度から着手した鉄道工事について,高架橋の基礎杭工事などを実施する.
ホーム安全対策として進めているホームドア整備については,飛田給でホームドア設置を進め,仙川・分倍河原・橋本では,一部ホームに転落防止固定柵を設置する.このほか京王稲田堤1番線に,ホームと車両の隙間対策として転落防止ゴムの設置や,ホーム縁端部の視認性向上を目的として,注意喚起ラインを計12駅に施工する.また,大規模地震に備えて鉄道施設の耐震性を向上させるため,高架橋や盛土区間,トンネル部などの耐震補強工事や,高尾線の線路脇斜面の防護工事などの自然災害対策を実施する.
国際的なスポーツイベントに向け,新宿や渋谷などで実施してきた駅やホームの整備を引き続き行なう.訪日外国人対応として,駅などにおける多言語による情報提供の拡充や,英語に対応した車内自動放送装置の導入,トイレの改修・洋式化を実施する.