京成電鉄では,同グループ標準車両として,新形車両3100形を導入すると発表した.
3100形は新京成電鉄と共同で設計し,『受け継ぐ伝統と新たな価値の創造』をコンセプトに,質実さ・実用本位という京成電鉄車両の基本思想を大切にしつつ,空港アクセスを担う車両としてより便利で快適な移動空間を提供するために,同社初となるデザインや設備を採用.モータへの電流を制御する装置には,最新の半導体を使用したSiC‐VVVF制御装置を搭載し,現在3000形に搭載しているIGBT-VVVF制御装置と比較して約15%の消費電力を削減する.また,そのほかの機器にも最新技術を導入する.
外観デザインでは,成田スカイアクセスを走行することをより分かりやすくするため,同線の案内カラーであるオレンジを初めて採用.これにより,別ルートである京成本線との誤乗車防止とする.また,デザインのアクセントとして飛行機や沿線各所のイメージイラストを車体にデザインする.
車内設備では,座席に通常よりも背もたれが高いハイバック仕様を採用し,座り心地の改善を図る.一部の座席は折畳み式で,スーツケース置場としても利用できるようになる.また,袖仕切りにガラスを採用し開放感を持たせる.セキュリティ向上を目的として,防犯カメラの設置や,快適な車内環境を提供すべく,無料Wi-Fiサービスやプラズマクラスターイオン発生装置の導入,先頭車両に車椅子スペース,中間車にフリースペースを設置する.
このほか17インチLCD(液晶)車内案内表示器を各乗降扉上に2画面ずつ設置し,停車駅や乗り換え案内などの表示に加え,広告の放映などを行なうことでより多くの情報を提供する.車外行先表示器については,種別・行先表示を大形化し,ホームからの視認性向上を図る.
なお,3100形は,2019年度は秋の営業運転開始を目指し,8両2編成の合計16両を導入する予定.
写真はいずれも京成電鉄のニュースリリースから