JR九州とNTTドコモは，「列車の窓」を新たな情報表示プラットフォームとして活用する新体感の列車内観光サービスの実現に向けた協業協定を，2019（平成31）年1月25日（金） に締結したと発表した．
　今後，風景に合わせた観光情報をAR（拡張現実）技術などにより車窓へ，リアルタイムに表示し，タッチや声などの操作で必要な情報をインタラクティブに提供することで，列車内における新体感観光サービスの創出をめざす．
　このほか，乗客のスマートフォンやタブレット端末と連携し，列車降車時から目的地までの観光ガイドを提供するほか，多言語対応を可能にすることで，より利用客へ寄り添う観光ガイドサービスへと進化させる方向性を検討していく．さらに将来展望として，沿線地域の活性化や社会課題の解決を視野に，地域文化や伝統工芸，特産品などといったさまざまな観光資源の魅力を利用客へ効果的に伝えることができる，観光ガイドとしての価値創出に向けて取り組む．

　導入検証として，2019年春から，肥薩線人吉—吉松駅を走行する“いさぶろう・しんぺい”の車内において，列車の走行位置に応じた観光情報をタブレット端末上で提供する実証実験を実施する．
　両社では，VR（仮想現実），AR（拡張現実），MR（複合現実）や5G（第5世代移動通信システム）などといった先進技術の活用を視野に，2020年のサービス実用化を目標とした継続的な取り組みを行なっていく予定で，技術面の共同検討パートナーとして，ゼンリンデータコムも参画する．

写真はいずれもJR九州のニュースリリースから