東武鉄道では,SL「大樹」運転開始にあわせて日光線・鬼怒川線の分岐点に位置する下今市駅(栃木県日光市)構内に新改築した「下今市駅舎」と「SL機関庫」が,栃木県などが主催する「第30回栃木県マロニエ建築賞」を受賞したと発表した.東武鉄道が同賞を受賞するのは初となる.
木質を活かした駅舎では,駅前広場に対して前面に縁側状のベンチが設けられ,居心地のよいパブリックスペースを提供している点や,煉瓦タイルの仕上げによるSL機関庫,新たに移設された転車台の広場,線路敷を意識した外構など,群として駅空間が整備されている点が高く評価された.
また,昭和レトロを意識したデザインは,表層的にテーマパーク化する懸念もあるが,この整備計画では鉄道事業の歴史にもとづき,沿線の鉄道構築物の国登録有形文化財化や,構内の旧跨線橋のギャラリー化など,周辺環境も含めた駅空間の整備として評価された.
写真:東武鉄道のニュースリリースから