JR九州は,復原を進めている門司港駅について,2019(平成31)年3月にグランドオープンすると発表した.
門司港駅は,1914(大正3)年に創建され,1988(昭和63)年には鉄道駅として日本で初めて重要文化財に指定されている.今回の復元では,外壁は石貼り風にモルタルを塗り,屋根には天然の石盤を葺く.さらに,途中の時代で失われてしまった屋根まわりの飾りを復原.1929(昭和4)年に設置された正面車寄せの庇は取り除き,創建時の姿とする.門司港駅のシンボルである大時計は,古新聞の調査から1918(大正7)年に取り付けられたことが明らかとなり,九州初の電気時計という歴史的価値を尊重し,今回新調されることになった.
1階旧三等待合室は,建設当初の内観を復原し,腰壁と天井は淡い黄色に塗装し,壁は白い漆喰壁とする.構造補強も兼ねたエレベータが新設される.グランドオープン後は「スターバックス コーヒー 門司港駅店」(仮称)として使用される.
2階食堂についても,建設当初の内観を復原し,腰壁と天井はこげ茶色のワニス塗装を施し,壁は白い漆喰壁とする.あわせて,シャンデリアも復原される.グランドオープン後はレストラン「みかど食堂 by NARISAWA」として活用する.レストランの監修は,東京 南青山の Restaurant"NARISAWA"オーナーシェフで,『JR KYUSHU SWEETTRAIN 「或る列車」』のスイーツコースを演出している成澤由浩氏が担当.レストランの名称には,大正時代に門司港駅2階で営業していた洋食食堂「みかど食堂」を,「NARISAWAと共に再興する」という想いが込められている.
今後,2018(平成30)年11月10日(土)に,現在仮駅舎で営業している「みどりの窓口」と券売機が,復原駅舎に切り替わり,1階の一部の供用が開始される予定.
写真:JR九州のニュースリリースから