つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道では,2020年春から新形車両TX-3000系を導入すると発表した.
今回導入する車両は,交直流車6両×5編成(全30両)で,製造は日立製作所が担当する.車両コンセプトは「継承」「進化」「洗練」とし,これまで沿線とともに成長してきた現行車両のイメージを継承し,進化,洗練させることで,つくばエクスプレスのさらなる飛躍を感じさせるデザインとした.
外観は,TX-1000系とTX-2000系をベースに,先頭前面の傾斜を強くしたこととヘッドライトの形状で先鋭感を強調.前面窓はメンテナンス性を考慮したシンプルな構成とし,現行車両のデザインのブルーとレッドを「継承」する.また,斜めのラインにより,疾走する「express」をイメージし,スピード感を表現した.
内観は,UVカットのグリーンガラスおよび座席横の仕切り荷棚に透明ガラスを採用し,清潔感,解放感のあるデザイン.座席はクッション性を改良し,乗り心地を向上させる.各車両にフリースペースやUD(ユニバーサルデザイン)シートと優先席を設置し,バリアフリーのさらなる対応を図る.各ドア上部には,42インチハーフの大画面液晶車内案内表示器を搭載.乗換案内や駅設備案内の提供のほか,訪日外国人向けに英語・中国語・韓国語による情報提供を実施する.また,車両内の防犯カメラや,異常時の状況分析を適切に行なうための前方監視カメラを設置.つり手の数を増やし,混雑時や車両動揺に対する安全性の向上を図る.
このほか,環境負荷対策として,前灯にLEDを採用し,主制御装置に最新のSiC素子を適用する.これにより,電力量および走行にともなう消費電力量を削減する.
写真:首都圏新都市鉄道提供