阪急電鉄では,近年増加している訪日外国人利用客への対応として,さまざまなインバウンド施策を進めると発表した.
京都線では,観光特急「京とれいん」の2編成目を導入する.「京とれいん」は,2011(平成23)年3月から土曜・日曜・祝日に運行しているが,今回新たに7000系車両を改造して導入する.この車両は,現在の「京とれいん」のイメージを継承しつつ,「ご乗車になられたときから京都」をコンセプトに,京都を五感で感じられるデザインとする予定.なお,車両の詳細や運行開始日は,2018(平成30)年秋ごろに発表される.
写真:阪急電鉄6300系「京とれいん」 松本洋一撮影 正雀車庫にて 2011-3-11(取材協力:阪急電鉄)
烏丸駅では西改札口をリニューアルし,梅田,河原町についで3ヵ所目となる「(仮称)阪急京都観光案内所・烏丸」を開設する.西改札口は,レンガや石を模した建築素材を使い,烏丸通りの景観を形作っている近代建築の雰囲気を取り入れ,落ち着きと格調ある空間とする.新設の案内所に隣接して待ち合わせスペースを新設するほか,京都市営地下鉄やバスとの乗換えがスムーズに出来るよう,旅客案内サインを充実させる.「(仮称)阪急京都観光案内所・烏丸」は,多言語(日本語・英語・中国語・韓国語)での会話が可能な案内スタッフを配置し,タブレット形情報端末の通訳サービスを活用した観光案内・交通案内の充実を図る.また,企画乗車券・阪急電鉄オリジナルグッズなどの販売や手荷物の一時預かりや,荷物の全国発送サービスも行なう.
また,阪急電鉄初の施策として,2018(平成30)年夏ごろから,梅田・河原町・烏丸・嵐山の各駅に自動外貨両替機を設置する.さらに,2018(平成30)年秋から,阪急電車車内での無料Wi-Fiサービスを,京都線特急車両9300系と観光特急「京とれいん」に順次導入する.
なお,以前から進めている施策として,2016(平成28)年から,駅トイレの洋式化を実施しているが,2018(平成30)年度はトイレの全面リニューアルを7駅,便器の洋式化を3駅で実施する予定.また2018(平成30)年3月からは,駅での案内をスムーズにできるよう,梅田・宝塚・河原町など28駅に翻訳アプリ搭載のタブレット端末を導入した.これにより,駅での乗り場案内や,観光案内だけでなく,忘れ物の問い合わせや異常時の案内など,幅広く対応できるようなっている.