京王電鉄では,2018(平成30)年度に鉄道事業において,総額237億円の設備投資を行なうと発表した.
車両については,京王線8000系の2編成(20両),井の頭線1000系の3編成(15両)のリニューアル工事を実施し,手すりやつり革を握りやすい形状に変更するほか,座席中間部の手すりや座席端部の仕切り板を設置する.井の頭線1000系の3編成(15両)については,車内ドア上に液晶ディスプレイを2画面設置し,運行案内およびニュースや天気予報などのコンテンツ,交通広告を放映する.また,京王線8000系2編成(20両),井の頭線1000系3編成(15両)については,VVVFインバータ制御装置の更新にあわせ,より省エネ性能の高い新形VVVFインバータ制御装置を導入し,運転用電力を削減する.このほか,車両や駅構内など鉄道施設における,照明のLED化を推進する.
京王線笹塚—仙川間の連続立体交差事業については,工事に必要な用地取得を進め,工事ヤードの整備などに着手する.小田急線の複々線・連続立体交差化事業にあわせて実施している井の頭線下北沢の改良工事では,引き続き小田急線との交差部における橋の架替え(下り線側)の実施や旅客トイレの整備および井の頭線専用改札口の設置が行なわれる.
ホーム安全対策として進めているホームドア整備については,新線新宿,渋谷で設置を完了し,飛田給で設置が進められる.このほか,東府中駅ホーム(一部)への転落防止固定柵設置や,聖蹟桜ヶ丘駅への転落防止ゴム(くし状ゴム)の設置を進め,ホーム縁端部の視認性向上を目的として,注意喚起ラインを計15駅に施工する.また,大規模地震に備えて鉄道施設の耐震性を向上させるため,高架橋や盛土区間,トンネル部などの耐震補強工事や,高尾線の線路脇斜面の防護工事などの自然災害対策を実施する.
サービスの向上を目的に,エレベータの増設や行先案内表示器のマルチカラー化,駅のリニューアル工事を継続して進め,インバウンド対応として,多言語案内拡声装置の導入や,スマートフォン・タブレットでの翻訳アプリの活用,車両装備・駅設備の多言語化対応,トイレの洋式便器化も実施される.
写真:京王電鉄1000系リニューアル車 編集部撮影 富士見ヶ丘検車区にて 2016-3-23(取材協力:京王電鉄)