JR東日本東京支社では,乗務員が携帯しているタブレット端末に「異常時放送英文化アプリ」を2018(平成30)年5月以降順次導入し,訪日外国人旅行者へ向けて,ダイヤが乱れた際の英語音声による情報提供を充実させると発表した.
アプリは,常磐線(各駅停車)に乗務する綾瀬運輸区の乗務員が開発したシステムを実用化したもので,これまでの車内におけるダイヤ乱れ時の英語による情報提供は,文字情報・英語音声ともに情報量が少なく,英語音声を出力するまでに時間を要するなど課題があった.
今回導入する「異常時放送英文化アプリ」は,列車の運行状況などを伝える社内向けの放送を文字化した情報をもとに,自列車のみならず他線区の情報も含め英語放送文(約4700種類)の中から,乗務員が放送すると予測される候補文をアプリ上に日本語と英語で提案する.乗務員が候補文をタップすることで,英語音声をタブレット端末から出力し,車内放送として流すことができる.これにより,ダイヤ乱れの理由に応じて,放送すべき候補文を提案するため,タイムリーに英語音声による情報提供を行なうことができるほか,使用頻度の高い放送定型文については,常時,英語音声を出力することが可能となる.
また,常磐線(各駅停車)のE233系車両には,タブレット接続装置を搭載しており,タブレット端末から出力した音声を直接車内放送として流すことができる.そのため,出力した音声を車掌用のマイクで収音し放送するよりも,クリアで聞き取りやすい音声で車内において情報提供が可能となる.JR東日本では,この装置についても今後投入する新形車両にも搭載していく予定としている.
写真:JR東日本のニュースリリースから