JR西日本は,ソフトバンク株式会社の協力のもと,VR(仮想現実)技術を活用した安全教育プログラムを,2018(平成30)年5月以降に導入すると発表した.
「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022」において掲げたヒューマンファクターの観点を取り入れた実践的な教育プログラムの一つとして導入されるもので,スマートフォンを装着したヘッドマウントディスプレーに表示される360度のVR映像を視聴することで,鉄道現場での労働災害に至る過程,きっかけを擬似体感することができる.
誰もが陥る可能性がある「日常業務に潜む労働災害の原因となるワナ」を題材とし,鉄道現場における系統(駅係員,乗務員,車両,施設,電気)別に,列車に接触する「触車」や高所からの「墜落」など計9つの労働災害をVR映像で再現する.労動災害の結果の恐怖感を煽ることよりも,それに至るプロセス体感を重視し,「CG」ではなく「実写」を使用することで,没入感を高めている.
JR西日本では,労働災害に直面する場面をリアルに体感することで,労働災害の防止はもちろん,実践に結びつくヒューマンファクターの理解につなげていきたいとしている.
写真:JR西日本のニュースリリースから