JR東海では,2018(平成30)年6月から,レーダ雨量を活用した運転規制を導入すると発表した.
同社では現在,雨量計に加えて,気象庁や国土交通省のレーダが捉えた沿線の連続した雨量情報(レーダ雨量)を活用した運転規制を一部線区で試行しているが,より一層の安全確保を目的としてこの規制を導入する.またこの導入にあわせて,指令におけるシステムの改良を行なう.
レーダ雨量は,降雨量を直接計測する雨量計と違い,気象庁や国土交通省が地上に設置しているレーダから空中に電波を発射することで,雨の強さを把握するもので,1km四方程度の降雨の状況を面的に観測できる.駅などに設置した雨量計に加えてレーダ雨量を活用することで,沿線の降雨状況を連続的に観測でき,これまでカバーしきれなかった狭い範囲の局地的な集中豪雨をきめ細かく捉えて,運転規制をタイムリーに行なうことができるようになる.なお同社では,2017(平成29)年7月から,山間部の線区などで,雨量計とレーダ雨量を併用した運転規制を試行しており,集中豪雨を適切に捉えていることを確認している.
なお,現行のシステムでは,雨量計の値が規制値に達した場合,指令員に自動的に知らせることで,運転規制を行なっているが,一方で,現在試行しているレーダ雨量の運転規制は,規制値に達したことを施設指令員と輸送指令員で確認のうえ,運転規制の手続きを行なう.
また,今回のレーダ雨量を活用した運転規制の導入にあわせて,レーダ雨量の情報をシステムに組み込むことで,雨量計と同様,指令員に自動的にアラームを発し,的確に運転規制を実施できるようにする.
写真:JR東海のニュースリリースから