JR東日本は,山梨県および公益財団法人鉄道総合技術研究所と「鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの技術開発に関する基本合意」を締結したと発表した.
鉄道用超電導フライホイール蓄電システムは,電車のブレーキ時に発生する電気エネルギー(回生電力)を有効活用するために開発されたもので,装置の内部にある大形の円盤(フライホイール)を回転させることで,回生電力を運動エネルギーとして貯え(充電),必要に応じて運動エネルギーを再び電力に変換(放電)する.軸受部分に超電導技術を採用することで,フライホイールを浮上させ,非接触としている.蓄電池と比較して,充放電の繰り返しによっても性能が劣化しない利点があり,さらに軸受部分が非接触となるため,損失によるエネルギーの減少を抑制するだけでなく,軸受の摩耗がなくなるため定期的に大規模なメンテナンスを行なう必要がなくなる.
JR東日本では,JR東日本研究開発センター環境技術研究所を中心に,鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの開発および実証試験を推進する.実験にあたっては,米倉山電力貯蔵技術研究サイト(山梨県甲府市)において,太陽光発電などの再生可能エネルギーの平準化を目的とした超電導フライホイール蓄電システムの開発を行なってきた山梨県の協力を受けながら,超電導磁気軸受などの技術を有する公益財団法人鉄道総合技術研究所が,システムの技術評価などを行なう.
図:JR東日本のニュースリリースから