JR西日本とNEXCO西日本は,2017(平成29)年11月に共同開発協定を締結し,新幹線のトンネル覆工点検をより効率的に実施することのできる新幹線用トンネル覆工表面検査システムの技術開発に着手すると発表した.
NEXCO西日本では2004(平成16)年から,高速道路の安全・安心を確保するため,トンネル覆工コンクリートの状況を確認することを目的に,画像を用いたトンネル覆工点検システムを開発し運用している.また,JR西日本は,「新幹線用トンネル覆工表面検査システム(通称:SATUZO)」を2002(平成14)年から導入しているが,導入から約14年が経過し,より効率的にトンネル覆工点検を行なうため,今回,NEXCO西日本が保有する『道路トンネル覆工点検システム「eQドクターT」』の技術をベースにして,新たな「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」を共同開発する.
「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」の技術開発では,横断勾配(カント)の違いによるカメラフォーカスや照明方式の差異,営業時間外での点検による撮影速度・撮影位置の違い,またほかの設備診断システムとあわせた機器搭載スペースの設置制約などがあることから,概略検討および設計検討などに計画的に取り組み,可能な限り早期に「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」の実用化をめざす.
写真:NEXCO西日本が保有する「eQドクターT」(JR西日本のニュースリリースから)