JR東海は,2018(平成30)年3月の完成に向け準備を行なっているN700Sについて,高性能と軽量化を追求した新形台車と,集電性能向上と省メンテナンスを実現した新形パンタグラフを採用すると発表した.
新形台車には,大幅な軽量化を実現したフレームを採用する.構造を工夫して下板の厚みを最適化し,補強部材と溶接個所を削減することで,信頼性の向上を図るとともに,1台車あたり約75kgの大幅な軽量化を実現する.SiC素子を駆動システムへ採用したことにより,新幹線で初めてモータの電磁石を4極から6極に増やし,電磁石を小さくした,6極駆動モータが搭載される.モータの回転力を車輪に伝達する歯車に新幹線営業車で初めてヤマバ歯車を採用し,歯車が安定してかみ合うことで走行時の騒音を低減し,軸受の信頼性向上と省メンテナンスを実現する.また,グリーン車には乗り心地をさらに向上するフルアクティブ制振制御装置が搭載される予定.
パンタグラフには,追従性を大幅に高めた「たわみ式すり板」を採用し,すり板の長寿命化による省メンテナンスを実現する.また,パンタグラフの支持部を3本から2本にすることで,N700Aと比較して1台あたり約50kgの軽量化を達成している.
写真はいずれもJR東海のニュースリリースから