JR東日本は,KDDIと共同で,第5世代移動通信システム(以下,「5G」)を活⽤した実証実験を実施すると発表した.
走行中における高速・⼤容量通信を目的とした実証実験は,209系在来線試験電車「MUE-Train」を使用し,2017(平成29)年10⽉中旬から下旬に行なわれる.高速で走行する列車内での高速・大容量通信を実現するために,受信側の移動に合わせてビームの向きを変えるビームトラッキング技術の検証を行なうとともに,受信側の移動に合わせて接続基地局を変更するハンドオーバー技術の性能を検証する.また,高速・大容量通信の性能を検証するために,先頭車両に設置した4Kカメラを用いた高精細映像の送信や,車内での8K映像ストリーミング受信を行なう.
2017(平成29)年10月下旬から11月上旬にかけて実施される駅ホームにおける電波伝搬試験では,列車が頻繁に往来し,多くの利用客が乗降する駅ホームという環境下において,5Gで利用する28GHzという⾼周波数帯の電波の伝わり⽅を検証するとともに,電波が届く範囲を延伸するための要素技術であるビームフォーミング技術(ビームの幅を絞り電力を集中することで電波が届く範囲を延伸させ,通信品質を向上する技術)の検証を行なう.
2018(平成30)年1月ごろには,遠隔地をVRでつなぐ5G体感イベントとして,上野駅で実施される地域再発見産直市と宮城県の「南三陸さんさん商店街」を5Gで接続し,VRを用いて,上野駅にいながら「南三陸さんさん商店街」でのショッピングを体感できるイベントを開催する.このイベントでは,ネットワーク上の伝送時間や高速・⼤容量通信についての検証が行なわれる.
画像はいずれもJR東日本・KDDIのニュースリリースから