空から鉄道の施設を望み,撮影された写真は,地上で撮影した写真にはない魅力や情報が満載となっており,これまでにも,こうした空撮写真を収録した書籍をたびたびご紹介いたしました.しかしながら,本書は,さまざまな鉄道の施設などについて,空撮写真で今と昔を対比するといった,非常に目新しい企画のもとでできあがった一冊となっています.鉄道の空撮写真を撮り続けているカメラマン,吉永陽一氏と,昭和の末期から平成の初期にわたり鉄道の空撮写真を撮影してきたカメラマン,花井健朗氏により,こうした企画が実現したわけです.掲載されている写真に目を凝らすと,同じ場所を撮影した写真でも,今のものと昔のものとで,各所にさまざまな違いを見つけることができ,一見して大きな差を見つけることができなくても,車両や街のようすが変わっていることがあります.さらに,本書では,吉永氏と花井氏との対談の内容がまとめられていますが,そこでは空撮写真ならではのエピソードや苦労を知ることができることでしょう.鉄道愛好者のみなさんであれば,かならず楽しむことができる一冊として,本書をお薦めします.
著者 | 吉永陽一・花井健朗(撮影・文) |
発行 | 講談社 |
仕様 | B5判 128ページ |
定価 | 本体2000円+税 |
発売日 | 2016年1月22日 |
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