鉄道ファン2026年6月号(通巻782号)
『鉄道ファン』2026年6月号
2026年4月21日発売
定価1300円(税込)

東急電鉄,2026年度の設備投資計画を発表

東急電鉄 6020系(大井町線各駅停車用)

写真:東急電鉄 6020系(大井町線各駅停車用)  編集部撮影  長津田検車区にて  2025-6-20(取材協力:東急電鉄)

東急電鉄は,2026(令和8)年度に総額約641億円の設備投資を行なうと発表した.

 車両については,大井町線の各駅停車用9000系・9020系(18本90両)を順次置き換えるため,5両編成の6020系を順次導入する.現行で9本が営業運転を開始しているが,2026(令和8)年度はさらに8本を導入する予定.

東急電鉄3000系リニューアル車

写真:東急電鉄3000系リニューアル車  編集部撮影  元住吉検車区にて  2025-9-29(取材協力:東急電鉄)

 2025(令和7)年10月に発生した,田園都市線梶が谷駅構内における列車衝突事故で損傷した東急電鉄所属車両の修繕や新造を行なう.このほか,目黒線・東急新横浜線の3000系や,東横線・東急新横浜線の5050系について,エクステリア・インテリアデザインを一新するリニューアルを進める.

東急電鉄,2026年度の設備投資計画を発表

▲桜新町駅リニューアルイメージ(左:コンコース/右:ホーム)

 駅舎やインフラ整備については,田園都市線地下区間のリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」を継続し,第2弾の桜新町駅は2026(令和8)年秋ごろの竣工を予定している.同駅の出入口には,全国初となる全構造部材を木材とした「木造出入口上家」が設置される.

東急電鉄,2026年度の設備投資計画を発表

▲田奈駅外観イメージパース

 築60年を迎えた田園都市線の田奈駅については,利用者の安全性や快適性向上を目的に,老朽化したホーム・コンコースの内外装改修を進める.田園都市線沿線の「まちをつくる魅力」と,田奈駅周辺地域の「大らかな自然の魅力」を,駅デザインや仕上げ素材により表現する計画としており,2026(令和8)年12月ごろの竣工を予定している.

東急電鉄,2026年度の設備投資計画を発表

▲宮崎台駅イメージパース(左:南口/右:コンコース)

 田園都市線の宮崎台駅については,2025(令和7)年1月からホーム,コンコースの内外装と駅前広場のリニューアル工事を開始している.宮崎台駅周辺の並木道の心地よさを駅から感じられること,また駅自体が「まちのリビング」のような存在となるために「まちとのつながり」を意識し,「まちへ開いた駅」となることを目指した計画で,2028(令和10)年度の竣工を予定している.

東急電鉄,2026年度の設備投資計画を発表

▲CBTCシステム概要

 次世代技術の導入に関しては,労働力不足を見据えた運営の高度化を目的として,2032(令和14)年度からの大井町線ワンマン運転実施に向けた車両改造設計に着手するほか,正確な列車の停止を支援する定位置停止支援装置(TASC)の田園都市線・大井町線への導入工事を進める.
 無線式列車制御システム(CBTC)の導入準備や,AI画像解析技術を活用したホーム上の安全検知システム,四足歩行ロボット「Spot」による変電所などの自動点検の実証実験など,最新技術の実装を進める.

東急電鉄,2026年度の設備投資計画を発表

▲「クレジットカードのタッチ決済」・「QRコード」に対応した改札機

 マーケティングによる沿線活力の創出として,クレジットカードのタッチ決済・QRコードを活用した乗車サービスを拡大する.2026(令和8)年度は,前年度に続き,利便性のさらなる向上やシームレスな移動を実現するため,現在実証実験として導入しているクレジットカードのタッチ決済,QRコードに対応した改札機の増設を行ない,多様な乗車手段の利用動向に関する検証を進める.

※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です.

東急電鉄,2026年度の設備投資計画を発表

▲田園都市線鷺沼駅 駅まち一体の都市空間整備のイメージ

 鉄道ネットワークの価値最大化を目的として,田園都市線の鷺沼駅では再開発事業と連携し,駅構内トイレのリニューアルや,周辺施設をシームレスにつなぐ歩行者動線の整備を開始した.竣工は2031(令和13)年度を予定している.
 大井町線の戸越公園駅付近では,踏切6ヵ所の除却を目的とした連続立体交差事業の認可を取得し,高架化に向けた取組を本格化させる.
 羽田空港へのアクセス改善に向け,東急多摩川線 矢口渡—京急蒲田駅付近を結ぶ「新空港線(蒲蒲線)」の事業化に向けた取組を継続する.

東急電鉄,2026年度の設備投資計画を発表

▲田園都市線・大井町線において導入予定の旅客案内装置のイメージ

 バリアフリーや環境対策では,全駅で完了したホームと車両の段差・隙間縮小箇所の周知を図るシンボルサインの掲示を継続し,田園都市線・大井町線では視認性の高い液晶ディスプレイ(LCD)を用いた新たな旅客案内装置の運用を開始する.
 環境面では,実質再生可能エネルギー100%での運行を継続するとともに,市が尾変電所に設置した大規模蓄電システムの本格運用に向けた最終調整を行ない,省エネと災害時のBCP強化の両立を目指す.

東急電鉄,2026年度の設備投資計画を発表

▲「木になるリニューアル」石川台駅イメージパース

 木材を活用した駅改良プロジェクト「木になるリニューアル」では,池上線の戸越銀座,旗の台,長原の各駅に続き,千鳥町と石川台での工事に着手しており,それぞれ2026(令和8)年12月と2027(令和9)年秋ごろの竣工を予定している.
 また,田奈駅リニューアル工事では,内装に木材を幅広のパネル状にして使用するとともに沿線の竹林から取れた竹材を活用する予定.

東急電鉄,2026年度の設備投資計画を発表

▲田園都市線 たまプラーザ—あざみ野間のトンネル補修工事

 このほか,各種自然災害対策として,法面補強による土砂災害対策や浸水対策,耐震補強工事を進める.
 老朽化した土木構造物の維持・更新として,2025(令和7)年度に引き続き,田園都市線 たまプラーザ—あざみ野間,江田—市が尾間のトンネル補修工事や,築101年を迎える鶴見川橋梁(東横線 綱島—大倉山間)の大規模塗装改修や補修を実施する.

一部画像は東急株式会社提供

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