写真:JR九州YC1系 編集部撮影 南福岡車両区竹下車両派出にて 2018-10-5(取材協力:JR九州)
JR九州は,公衆回線ネットワークを活用した新たな無線式列車制御システム,通称「RKシステム(Radio communication Kyushu system)」を実用化し,長崎地区へ導入すると発表した.
従来の列車制御システムは,安全確保のために多数の地上設備を必要とする複雑な構成が基本となっていたが,これを抜本的に見直すことで,安全性を維持・向上させながら業務運営の効率化とコスト削減を図る.
「RKシステム」の最大の特徴は,情報の伝送路に自社専用の有線回線ではなく,汎用の公衆回線ネットワークを活用する点にある.
システム構成においては,車上主体の列車制御へ移行することで地上設備を最大限にスリム化している.従来の連動装置や膨大な情報伝送用ケーブルを削減し,無線中央装置や無線インターフェース装置を介した制御へと転換する.これにより,設備導入コストの抑制だけでなく,将来的な維持更新費用の低減も可能となる.
公衆回線を利用する上で懸念される通信途絶時の安全確保技術や,情報セキュリティを担保する技術も新たに導入している.あわせて,JR九州がすでに保有しているATS-DKやGOA2.5自動運転などの既存技術を応用することで,早期導入とコスト抑制を両立させる.

▲RKシステムの構成
導入は段階的に進められる計画で,2028(令和10)年度に長崎本線の喜々津—浦上間(長与経由)での運用を開始する.2032(令和14)年度には長崎本線の諫早—長崎間(市布経由),2033(令和15)年度には大村線のハウステンボス—諫早間に拡大する予定.
システムの実用化にあたっては,2024(令和6)年から2025(令和7)年度にかけて,学識経験者や研究機関で構成される「RKシステム実現検討委員会」で,総合的な評価が行なわれた.鉄道総合技術研究所による安全性評価や,実際の沿線における無線環境の測定,走行試験による安定性実証を経て,列車制御システムとして十分な安全性と安定性を備えているとの結論を得ている.
一部画像はJR九州ニュースリリースから















