
埼玉高速鉄道は,開業以来運行してきた2000系について,運行開始から25年が経過したことを踏まえ,全10編成(60両)を対象とした大規模改修を実施すると発表した.
改修における最大の課題は,埼玉高速鉄道の車両基地が日常の検修業務を主体とした設備であり,車両改修のための専用工場を保有していない点であった.通常,このような規模の鉄道会社では外部の改修工場へ車両を搬出して施工する外注方式が一般的だが,これにはコストの増大や工期の長期化が避けられない課題があった.
これに対し埼玉高速鉄道では検討の結果,自社の設備条件や事業規模に最適化した独自の改修システムを構築した.改修にあたっては,対象となる機器や施工範囲を精査し,機能や役割が維持できるものについては更新対象から除外するなど,更新機器を必要最小限に抑える.また施工方法を簡素化したことで,車両回送をともなう外部工場への搬出をすることなく,自社車両基地内での施工を可能としている.
施工体制については,東京地下鉄(東京メトロ)のグループ会社であるメトロ車両の協力のもと,外注に全面的に依存しない体制を整える.この新たなスキームにより,従来想定されていた外部一括外注方式と比較して,現時点において改修コストは約2割,改修工期は約3割の縮減が見込まれている.
対象となる60両の改修期間は,2027(令和9)年度から2031(令和13)年度までを予定しており,2028(令和10)年度から順次営業投入を開始する.
埼玉高速鉄道では,専用工場を持たない規模の鉄道会社においても,自社設備と専門パートナーの知見を組み合わせることで効率的な改修が実現できる本取組を,ひとつのモデルケースとして今後の持続可能な鉄道事業の推進に活かしていくとしている.
画像はすべて埼玉高速鉄道ニュースリリースから













