
▲嵯峨野観光鉄道 亀山隧道
嵯峨野観光鉄道は,同社が管理する鉄道構造物18施設(トンネル9施設,橋梁9施設)が,国の登録有形文化財として認定されたことを発表した.
今回の認定は,同路線の鉄道土木構造物が我が国の近代化を支えた歴史的価値を有している点に加え,渓谷沿いの歴史的景観を形成する重要な要素として高く評価されたもの.
登録された9つのトンネル(隧道)の多くは,1899(明治32)年に京都鉄道によって建設された当時の状態を良好に保持しており,独特な意匠が今もなお残されている.清瀧隧道は江戸切仕上の石材を用いた重厚な外観に近衛篤麿揮毫の扁額を掲げるなど,保津峡の景観を強く意識した記念碑的な造りとなっている.
路線最長の朝日隧道は,鋸歯状の装飾や「矢筈積」の胸壁に隧道名を記すといった丁寧な意匠が施されているのが特徴となっている.1929(昭和4)年建設の鵜飼第一隧道は,当時の「新中間型」断面を今に伝える貴重なコンクリート造の遺構として認定された.
▲嵯峨野観光鉄道 保津川橋梁
橋りょうについても,明治時代の構造物を土台としつつ,昭和期の溶接技術で補強を施しながら継続使用してきた点や,部材の転用といった維持管理の歴史が高く評価された.保津川の本流に架かる保津川橋梁は,大規模な曲弦ワーレントラスが保津峡のランドマークとして存在感を放っている.
このほか,1951年(昭和26年)に東海道本線から転用・加工された山本避溢橋梁や,イギリスの設計に基づき補強材の両端を折り曲げた「ポーナル桁」を有する多くの橋梁が,当時の技術を伝えるものとして登録された.
今回の認定を契機として,公式WEBサイト内への特設ページ開設や,2026(令和8)年4月から6月にかけての記念イベント列車の運行,さらには5月の記念講演会といった各種事業を展開する予定.
写真はすべて嵯峨野観光鉄道ニュースリリースから













